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当塾では英・数の成績がある程度高止まりしたら国語を始める

「もうちょっとキチンと問題文を読もうね」

国語は当然として、理科でも、社会でも科目を問わず、今まで何度、塾生たちにこの注意をしたのか、記憶がないです。読解力は注意力そのものあり、受験の成否を握る大きな力です。でも皆、その認識が甘いことがずっと続いています。

でも、仕方がない理由もあります。英語と数学は「手続き」が多く、知らないまま進むと、五里霧中・四面楚歌の未来が待ち受けています。ですから普通レベルの中学生は、まず英語と数学に全力を投入する必要があります。それでも英数を進めながら、同時に国語の準備もしなければいけません。ただし「小説などの本を読む」「作文を書く」などの娯楽的なことではなく、まさに「読解力を養成する」準備です。

中学レベルを始める前に小学校レベルや常識の準備確認が必要

相変わらず「読解力のない生徒が多い」とお嘆きの教育関係者が多いですが、自家撞着に陥っていると当方は受け取っています。学校の授業を受けているのに「読解力」が付かないのは、授業に問題がある証左です。そもそも国語の定期テスト自体が「読んだことのある文章」をテストの題材にしているのですから、これで実戦力、つまり初見の文章を読み解く力が付くはずはないと思うのです。抜本的な解決が必要でしょう。

そこで中学レベルの国語を始める前に、一般的には
「ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕」
「ふくしま式「本当の語彙力」が身につく問題集[小学生版]」
「ふくしま式『小学生の必須常識』が身につく問題集」
「どんな子も言葉力が伸びる! 小学生の語彙力アップ 基礎練習ドリル1200」
「出口先生の頭がよくなる漢字小学4年生~6年生」
「はじめての論理国語小5~小6レベル」
「出口汪の日本語論理トレーニング」

以上の7冊(出口汪の日本語論理トレーニングは各学年3冊ずつ)を皮切りに、小学生レベルの知識を整備・習得することから始めます。普通の公立中学に通う大多数の中学生は、中学受験を経験せずに、ぼ~っと中学生になっていますから、このへんあたりから刺激を与えておかなければ、ピンとこないのです。もちろん、7冊だけに留まらず、もっと他に色々やっても良いでしょう。

語彙力増強も必要です。語彙力のない人=言葉の意味がわからな人≒ある言葉を聞いても想像力が働かない人は国語の読解力がない、というのは当然です。書物を読んでいる時間もないので、人工的意識的、あるいは強制的に増やす必要があります。

面白いことに、こういう「実力が付く本」の著者は、たいてい教職経験のない予備校の講師先生だったり、学校の教師であっても、途中退職して、塾などを設立しているパターンが多いのです。福島先生はその代表者です。学校の教師にもならず、また学校の教師という安定した職業をあえて手放してまで、自営業を始めるその動機に、現状の学校に対する不満がないわけはないと思うのは、邪推でしょうか。

普通の公立中学に通う生徒は中学入試から始める

小学校の国語を整備しながら、中学入試問題に挑戦していきます。

これも一般的には
「中学入試 国語文章題のまちがえるところがすっきりわかる」
「中学入試 国語の文章で答える問題の答え方がすっきりわかる」
「中学入試を制する国語の「読みテク」トレーニング 説明文・論説文」

などを課題にして、2回は繰り返しておくべきでしょう。自学自習にはよくできていると思います。他にも色々ありますが、中学入試問題自体に当たってみるのも一興です。

現に高校入試で出題された現代文が、すでに中学入試で出題されていたという例を当方は頻繁に目撃しています。おませな小学生がすでに解答した問題を、普通の中学生は3年遅れで解答する、という認識を強めてください。

準備ができたらさっそく始める

国語は日本語で書いてあるので、先ほど列挙した問題集を解いて、準備ができたら、いきなりですが
「高校入試を制する国語『選択問題』の解き方の基本」
を解いてみるのが良いでしょう。

実はこの手の本は過去にも、大学入試レベルではすでに色々出ていて、1980年代~1990年代に相次いで出版された「田村の現代文講義―代々木ゼミ方式」から始まっていると言っても良いでしょう。それらが高校入試に降りてきたわけです。

とにかく「本文にないことは選ぶな」が「憲法」です。それを徹底し、選択問題での得点率を上げて「成功体験」を積み、「成功は成功の元」を実現することを目指します。冗談で言っているのではなく、「失敗は成功の元」は普通の人には当てはまらないと、当方は考えています。これはよほど執念深い人か、生死がかかわるようなことに挑戦する準備に当てはまることです。普通の人なら何度も失敗すれば、嫌になって止めてしまうからです。

同時に中学レベルの読解力や語彙力も伸ばすべきで、
「国語読解[完全攻略]22の鉄則 (高校受験[必携]ハンドブック)」
「この1冊で「言葉力」が伸びる! 中学生の語彙力アップ 徹底学習ドリル1100」

も良いでしょう。

さらレベルを上げたいなら大学入試用ですが、さきほどあげた「《改訂版》田村のやさしく語る現代文」も一読すると面白いかもしれません。

古文・漢文は必要、特に古文文法の基礎は絶対に必要

現代文の分野で進攻作戦が進んでいると仮定して、問題は古文です。古文は現在中学校では、「ただ最初に出てくる文章を暗記するだけ」のテーマでしかありません。また熱心な先生に当たれば、文学史などもやってくれますが、たいていは適当、あるいは全く題材にもしません。これで古文ができるようになるのは、まず無理でしょう。

よくグローバル化と言いますが、グローバルになったら、他国の人に自国の説明をしなければいけないために勉強時間は倍になると思うのですが、自国のことは放置して、英語英語と走っているのが現状です。どう考えても変なのですが、変と思っていないようで、困ったものです。

それに古文はある程度文法がわからないと現代和訳もできないので、自学自習は難しい。「彼たずねん」を「彼は質問をしない」と受け取ってしまえば、一貫の終わりです。古文で「ん」は意志や未来を表す助動詞で「む」の変形だ!という、基礎中の基礎を知らない時におきるミスです。授業中の失敗なら喜劇ですが、試験中の失敗なら悲劇です。

特に最近、兵庫県公立高校入試において、古文分野の出題は、次第に難化しています。これは予想通りです。しかし学校の授業では、全くと言っても過言ではないほど、古文文法は学習していません。これは由々しき事態です。まあ時間もないのでしょうけど。

かく言う当方も古文の楽しさに気が付いたのは最近

ここに告白しますが、お恥ずかしながら、当方も学生時代は古文は好きでもなく、もちろん得意科目でもありませんでした。ブログ記事を紹介しますので、ぜひ一読した後、笑ってやってください。かなり長文になりますが、よろしくお願いします。

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 1

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 2

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 3

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 4

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 5

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 6

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 7

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 8

百人一首や日本の古典に興味を持ったきっかけ 9

古文の勉強は英語と同じと心得る

現代の日本語と似通っているから、侮り勝ちなため、ある意味、英語より難しいです。それでも自分でやってみるぞ、という人に、当方がお勧めできる中学生用の古文文法書は
「高校入試合格へのベストアプローチ古文」
です。多くの中学古文解説サイトがありますが、「ベストアプローチがネタ本のサイトだな」とバレバレなぐらい、この本はよくできています。

が、しかし残念なことに、現在は絶版で、古本・中古本としてしか販売されていません。でもこれを機会に入手されても絶対に損はしないでしょう。

他には
「こわくない古文・漢文(くもんの高校入試スタートドリル)」
「高校入試 とってもすっきり古文漢文」
「中学まとめノート古文改訂版」
なども良いでしょう。

ある程度わかってきたなら、
「中学 古文・漢文 標準問題集古文 完全攻略63選」
などをやってみるのも良いでしょう。もちろん色々な映像サイトを視聴するのも良いことです。

高校入試だけでなく、高校生活がスタートしてからも、古文にあまり抵抗なく入っていけるように、古文文法の基礎習得をした方が絶対に良いです。当塾では中学3年の夏に特集を組んで実行しています。

英数が、ある程度点数が取れていること

英数で両方とも70点以上ない場合に、国語の本格的な学習を始めると、とたんに苦しくなります。仮に国語の点数が伸びても、英数の学習時間が減る⇒英数の点が落ちる可能性が高いからです。実際に過去によくありました。それぐらい70点未満という点数は危ないのです。

確かに国語はすべての科目の基礎、生活の基礎です。基礎造りだからこそ、早いうちにしておかなければ意味がないのです。中学1年~中学2年半ばまでに、今紹介した問題集や解説書を習得して、同時に英単語や例文を覚え、数学の公式の適用場面を知り、問題を解けるようにしておくこと全てが、「基礎造り」とお考えください。

現代文古文融合問題を必ず解く

古文が絶対に必要とさきほど強調したのは、最近は「現代文古典文融合問題=現古融合問題」の出題が、増えてきて、今後当然のようになると予想されるからです。現実の学校のスタイルが、遅れてきている証拠でもあります。特に関東方面の学校は出題率が高くなっています。そのうち近畿でも当たり前になるでしょう。兵庫県公立高校でもそれらしい傾向が、ぼちぼち出てきています。

当然ですが、古文の部分が理解できなければ、得点はできないし、文学史の知識も必要です。よって対象問題集は、
「国語融合問題 完全攻略30選」
今のところ、これ以上はないです。あるとすれば、旺文社が毎年出版している
「全国高校入試問題正解 分野別過去問 国語 現代文・古文・漢文」
のシリーズ中にある「現古融合問題」でしょう。

「現古融合」に行き付くために国語の勉強をしている、と言い切っても良いです。もちろん現代文オンリーの問題も、必要です。国語こそ、ある程度の読解力が付いたら、満足せずに知識量も増やすこと、これが成功への鍵と言えます。

以上を自分でできない人を当塾がサポートします

以上のことを、自分でできる人はこれからも頑張って欲しいと思いますが、できない人は当塾が、ご紹介した参考書や問題集から抜粋した題材や、全国の入試問題から選んだものを課題にして授業を組み、できる限りサポートします。

ただし現在のところ、国語だけのコースはありません。あくまで最初から英数を受講して、ある程度の点数を獲得している人たちが、延長上に受講できるシステムになっています。これは安全策と言えます。

しかし「可能性は無限」であることも事実です。そこで国語の授業だけを希望する方たちにもお答えしたいと考えています。新しい事に挑戦するのも、意義あることで、ご希望の方はどうぞご一報ください。微力を尽し、未来を切り開くお手伝いをします。それに、もし、国語を勉強して、それが英数の勉強の刺激になれば、言うことなしでもありますから。

でもやはり、なるべく早く来塾していただき、英数を受講して、隙を失くし、国語に専念できる体制を確立するのが安全なのも事実です。公立高校に進むだけでなく、高校に入ってさらに伸びたいのなら、なおさらです。

案外弾みが付けば、とんとん拍子にできるようにもなりますが、小学校の基礎がかなり疎かになっている場合は中々成績は上昇しません。あるいは別の原因が存在する場合もあるからです。それらを探り、対応策を早く考えなければ、時間はどんどん減っていきます。よろしくご一考くだされば幸いです。