読解力養成への対応

三銃士、ポンペイ最後の日、十五少年漂流記、怪盗紳士、パール街の少年たち、愛の一家、不思議の科学、海底二万里、西遊記、モンテクリスト伯などなど。

今挙げたものは、私が子供の頃、読みふけった本の一部だ。大人用の仕様もあったし、児童用もあったがそれでも心が弾んだものだった。学校の図書室には本当にお世話になった。これは中学に入ってからも続いたし、高校に入って1年生~2年生の2年間3か月は中断していたが、高校3年になって復活し、それから現在に至るとしても過言ではないだろう。

しかし中学に入って「本を読まない人」が結構たくさんいることに気が付いたのは、大変驚いた。しかもそれを自慢するぐらいに価値が倒錯していた。

どんな勉強でも「読解力」が基礎

読解力がなければ、何をどんなに長時間やっても成果はゼロだろう。しかし現代の生徒たちは「読解力」を持っているのだろうか?その前に文に、文章に接しているのだろうか?ちょっと統計を調べてみたが、「やっぱりな」という感想しかない。

子供の読書活動に関する現状と論点

上の統計では特に13ページ目が大事だと感じた。中学生になってガクッと減っているからだ。

令和2(2020)年度子どもの読書活動に関する実態調査結果

上の統計では5ページ目が大切と思われる。
ものすごく分布がいびつだからだ。読まない人が相当多数いることがわかる。

特に小学校ではまだまだ読んでいた方だが、中学に入ると、極端に量が減る人が多いのが問題だ。そういう人が高校生になっても急にまた読書を増やす可能性は半々ぐらいだろう。

スマホも良いところはあるがやはり時間を奪う

さらにはスマホの普及で、日々ニュースとかには触れることが増えたのは認める。毎日「お知らせ」が送られてくれば、嫌でも知ってしまうだろう。だから15、6年前に比べて、中学生でも高校生でも、案外、世の中の動きは知っている人が増えたのは良いことだとは思う。

しかし You Tube などの映像を見る時間が増えてしまったことで、文字に接し、その中身を考える時間は完全に減ってしまったことが、今紹介した上の2つの統計資料からわかる。これに加えて、英語からの圧迫もある。

どうすればいいのか? 名案などない!

もし養育中のご子弟が「本を読まない人」になるのを避けたいのなら、それこそ小さいころから本を読む癖=読書する癖をつけることが、最善最良最短最高の策だ。中学になってから慌てても、もう遅いことが先ほど紹介した統計からはっきりわかる。もちろん「ビブリア古書堂の事件手帖」に出て来る人たちのような「事件」があればラッキーなのだろうが。

さて問題は共通テストだった。よって、共通テストを受けるのなら、15年間ぐらいの超・長期計画を立て、世界文学は取り敢えず置いておき、自分の興味ある分野だけでも書物を読み込む練習をさせて、全般的に通用する「読解力養成」を行い、子供が「思考力ある人間」に成長するように仕向ける。親・保護者の方たちはそのような予定を考えて実行することが必要になるだろう。

次は英語や数学を考えてみる。