中身をきちんと精査していない場合もある

さらに続ける。

③ 自分の子供のレベルや性向をあまりよく把握していないのに、高校や大学をブランド名だけで選ぼうとする。

今や日本企業は、いつ、どの会社が潰れ、勃興し、今までは予想もできない連携もあり、良いも悪いも、全く不透明な時代に突入しているのに、やっぱりテレビは〇〇製だよ、と決め付ける人がまだ多い。

また、正社員・派遣社員・契約社員・嘱託社員、あるいは管理職とそうでない職では、労働契約も賃金もさまざま分かれていて、労働に関係する法律も適用がさまざまなものになっていることに無頓着な上司は、部下に嫌われる傾向が強い。

世の中、非常に「複雑かつ面倒で細かく」なっている

それと同じで、ここ20年の間に高校側もさまざまな努力をして、独自性を出そうとして、成功しているところも多いのだが、とにかく学校名だけで決めてくる視野の狭い父親は、かなり迷惑な存在と言える。

だだしこの場合は会社や取引上の付き合いの相手に、同じ感覚の人が多く「ああ、あの高校ですか、それは良いですね」などと答えてくれるから、という事情も絡む。まさに「類友」だ。だから一概にダメだな~と言えないこともある。

急に存在感を出そうとする

この行動は、まるでどこかの知事さんみたいだ。

④子供のことに日頃は無関心だが、進学や受験になると急に首を突っ込んできて、現状を把握しないまま、あれこれと指示する。

実はこれが一番問題だ。
①②③の場合は「子育てや受験に加わろう」という姿勢があるだけまだマシで、この④の場合は10何年間もホッタラカシにして、自分のやりたいことだけをやり、面倒なことは避けてきたくせに「おいしい所だけ」欲しがっていることになって、正直言ってあさましい。

馬の仔はすぐに自立・自歩・自走するが、人間の子を一人前にするのはとんでもなく手間のかかる仕事だ。ローマの如く、子育ては1日にしてならず。

もめると家庭内不和につながるので注意が必要

さらには母親の今までの努力を無駄にするかもしれない所業でもある。戦争はしょうもないことから始まる愚者の行為で、平和を守るのは奸智に長けた悪人の為す業である、ということがわかっていない。

できればこのような父親(的存在)は、進学決定には参加させない方が良いが、「オレは稼いでいるから」というセリフを吐かれてスネテしまうと、もっと面倒なことになるので、形の上では参加させておいて、丸め込んでしまうか、適当に立てておいて、実質は母親や子供の間で決定しておくことが賢明だ。

もし現金を出し渋るのであるなら、学費ローンの債務者に仕立て上げる手もある。その時「手元のお金をくずしたくないから」とかうまく説得し、「利子は無視の手間賃」ぐらいに考え、その後、ボーナス時に繰り上げ返済で素早く完済しておけば良いだろう。

ならないためには日頃の対話継続しかない

①~④にならないために大切なのは「ご夫婦の会話」であり、それに類似した「定例報告の連絡会議」を持つことだ。ご子弟のことを身近に見ていることが多い母親(可能性は大、ということ。そうでない場合もあるから注意)が、見ていない場合の多い父親に、きちんと報告・連絡・相談、いわゆるホウレンソウだけはしておくようにすれば、①~③になってしまう事態を避けれるだろう。

あるいは母親が父親を常に子供の件に関しては誘うことにしておけば、④の「無関心さ」を防げるし、仮に無関心を継続して、受験の時に急に話題に加わろうとしても、「あなたは日頃誘っても乗ってこなかったでしょ?」と拒絶・敬遠することもできるからだ。(実際にそういうお母さんもおられましたよ。こえぇ~。)ただし反省の色を具体的かつ真剣に見せたら、謀議参加を許可しても良い。

地球上に何億人いようとも、自分の味方は目の前の3~4人だけという事実

男女が結婚をすることすら困難な時代になり、変な話だが、「青年が、夫→父親→祖父」への「出世街道」を歩むことが半分ぐらいの確率になってしまった、情けない時代だ。これは「女性が、妻→母→祖母」になる確率も減ったことでもある。

せっかく人が羨む「父親」になれたのだ。自分勝手は慎んで、保護するご子弟の未来について、ぜひパートナーとの会話も楽しみ、コミュニティーにも参加して、存分に楽しんでいただきたい、と望んでいる。

世界に何億人いようと、自分の味方は目の前にいる3、4人だけで、自分が味方すれば良いのも、その3、4人だけでいいからだ。