無駄なモノ・役に立たないものは切り離す

これは、人体で喩えたら、腐ってしまった部分は悪影響をもたらす前に切断するのと同じだ。現実の世界では切断された部分、特に腕や脚などはもう生えてはこない。iPS細胞の研究が進めば、可能かもしれないが、現在では無理な話だ。

学習・勉強の世界でも、腐ってしまった「腕」「脚」を思い切って切り離してしまう必要がある。しばらくは「義手」や「義足」でなんだかぎこちないが、ある日むずむずするから義手・義足を外してみると、小さいけれど生の腕や脚が生えきているぞ! という面白いことが、学習・勉強の世界では多々ある。

そして「栄養剤」を適切にうちこめば、今度は「鬼腕」みたいになった!ということもある。このように「腕」や「脚」が再生することも学習・勉強の世界ではよくあることだから、傷ついたり、腐ったりして使い物にならなくなったものは、さっさと切り離してよろしい。

時間を稼ぐ

さらにスターリンは、兵器生産を担当している者から情報を集め、1年ぐらいあればドイツ軍に対抗できる兵器を開発できることと、アメリカからの「レンドリース法」で「援助物資」に多数のトラックが望めることを知って、まずは「時間稼ぎ」を目論んだ。

そこで「一撃離脱・後退」の戦術と、取り敢えずは、今ある戦車や大砲を可及的速やかに前線に送り、集結するように指示を出して、とにかくドイツ軍の進撃を止める「嫌がらせ」の戦法に出た。もちろん自分1人ではなく、ジューコフや他の将軍の発案でもあった。

ここにも大きなヒントがある

自分の武器を点検する

完全に押し込まれて、相当深いダメージを負ったとしても、時間を稼ぐことと、今自分が持っている「武器」を点検して、それらを集結すること。勉強で行き詰った人は、まずこれをやらなければいけない。

英語なら単語は覚えることができるが、文の作り方がわからないのか、それとも単語も覚えられないのか。数学なら計算はできるが、関数はだめなのか、それとも計算も危ういのか、と点検しなければいけない。高校数学なら、自分が躓いていて、その影響が大きい分野はどこなのか?と探らなければいけない。闇雲に勉強を始めても消耗するだけだからだ。

時間を稼ぐこと=時間を増やすことであり、無駄な時間を削ることでもある。つまり部活や、やりたい活動は少し自粛をすることになる。時々、成績は上げたいが、部活は休みたくない、という欲張りな相談を持ち込まれるが、これほど難しい要求はないな、と思っている。しかも本末転倒も甚だしい。

文武の両立を求める世界基準に日本も進んでいる

世の中は、特に中学・高校の世界観・価値観は大きく変化している(あえて進化とは言わない)。スポーツ「だけ」とか勉強「だけ」というのはもう時代遅れで、スポーツ「も」文化的な活動「も」そして勉強「も」できるようになれ、という要求が大きくなってきている。

スポーツ推薦でもあんまり「成績不良の人」「脳味噌が筋肉」の人は「ちょっとね~」と最近避けられる傾向にある。理由は簡単で、近年明らかになってきたアスリート界での不祥事を根絶するためには、「今いる指導者の意識改革を促すが、ダメな時は思い切って処分する」と「将来、指導者になってくれそうな若い人材の教育を徹底する」がセット対策だからだ。禁煙や麻薬撲滅と手法は同じであり、こんなことは、誰でも読める展開ではないだろうか?

もちろん、個人的には「普通の生徒に、そんなこと可能なのか?」と疑問に感じているが、世の大勢には逆らえない。また日本人は世界に対して数が少ないので、1人1人がしっかりしていなければいけない、という要請もあるのだろう。その割には公立中学の教育は緩い。

今現在、中学生だったり、高校生だったりする人たちに、無視はできない風潮だ、ということを親・保護者がちゃんと認識しているのかな、厳しい時代になってきているぞ、とさきほどの相談の時には感じたりする。

あと1回続く。