(2)について

(2)開放的で強い好奇心を持ち、想像力、新しいものに親しむ気持ちを持つこと

これは基本的には、男性性の向いている面が強い、と思うかもしれない。しかし私は、そうは思わない。

男性性の「安定志向」が悪い方に作用すると「新しい他要素の排除」の面が出てくるからだ。またナマケモノだと、低いところで安定してしまう。高いところで安定するのでも、世間をよく観察すると、男性性の好奇心は、自分の好むものだけに偏ることが多い。コレクター男子でもミニカーだけとか、ある一定の漫画のキャラクターだけという場合が多いのもそのためだ。男性の大人で、読書好きであっても、推理小説だけとか、趣味も釣りだけという人も多い。

これも「安定」の一面だ。大人は仕方がないとしても、子供は全然違う分野へ誘導することが肝要になる。

そうなるとむしろ女性性の方が優勢になるだろう。女性性は「周期的」で「変化」が当たり前だから、好奇心を自然に持つし、持つことが自己防衛になることを知っている。化粧品でもあれこれ試すのはやはり女性で、男性の場合はオーデコロンをこれ、と決めたら、そればっかり使う人が多くないか?

先日新聞で読んだのだが、おもにマウスを使う動物実験でも、対象はほとんど雄で、雌は周期変化があるから向いていない、という記事を見てちょっとびっくりした。女性性独特の周期性を研究することをもっと進めて欲しいと思う。

(3)においても同じ

(3)外向的で、社交を好み、他者と積極的に交わることができるコミュニケーション能力を持つこと

男性が定年になって家にいるようになると、「置物」みたいで嫌がる奥さんが多いとか、近所の人との付き合いでも自分が付いていた社会的地位を定年後も振りかざして、嫌われ者になるというケースもよく聞く。

このように、男性性が強く出過ぎて、応用力が効かないのは、世に例が多い。

では女性性が優位に立てば、すべてがうまく行くのか?やはりそうではない。周回変化を続けていけば、それこそ振り回されるわけで周囲の者はたまったものではない。

今の日本が非認知能力を欠いた状態

今の日本はどうしても男性優位社会で、高い地位についている女性も男性性を身に付けなければ、円滑に事が運ばないので、知らないうちに女性性を喪失している言動をする人、例えば国会議員などによく見かける。また一旦始まった公共工事を、途中で改変ないし中止することができないのも、「安定」を一番にする男性性のなせる技と、私には見える。

そうなると現在の日本全体が、男性性・女性性のバランスを失い、非認知能力を失っているように私には思えてならない。待機児童問題が解消しないのも、「保育園落ちた日本死ね」と、お母さんが血を吐くようなセリフを言っても、「匿名だからわからない」という答弁を元首相がしたが、なんだかずれているなぁ、そこが問題じゃないでしょ、どっちを向いているんだ、と思ってしまう。でも以上のように考えると変な意味で、納得がいく。 でもこのままで良いわけがない。

まだ続く