さらに非認知能力の内容を考えてみる。ますます「我田引水」の度合いが強くなるのはご容赦願います。
(3)外向的で、社交を好み、他者と積極的に交わることができるコミュニケーション能力を持つこと
これは実現するには自分を表現できる能力を持っていることが前提で、ない場合は発達させることが必須だ。具体的には、ある程度の正しい言語能力と知識、自分が何者であるかを把握していること、相手には正確な情報を伝えることなどだ。
勉強だと「自分が何が、どこがわかっていないか」がわかっていて、しかもそれを相手に=教師に正確に報告できる人に成長していくことを意味するだろう。つまり国語力を高めよ、早期英語教育などは算数や国語がちゃんとできている、余裕のある学童だけで良く、全体で英語教育を実行するのは無理、を意味する。
(4)協調して、仲間と協力すること
協調とは広い意味を持つが、例えば問題を解くにあたって、指導者は生徒と「運命共同体=利害関係者」で、大切な仲間、「案内人」あるいは「ムラの古老」みたいなものであると認識せざるを得ず、指導者の指導に協力=従うのは当然になる。
指示された物を忘れてくることは「協調的」でなく、ザイルを忘れて登山に出かけたり、鍬を忘れて畑に行ったり、網や釣り道具を忘れて海に行くのと変わりはなく、「お前何したいの?」と言われても仕方がないだろう。あるいは約束した時間をちゃんと守ることも「協調」することになる。変更された授業時間を忘れるようでは勉強ができない人になってしまうだろう。
(5)精神的に安定していて、不安や緊張に強くなること
情緒不安定には外部的原因でなることの方が多い。つまり友人関係や家庭内環境の乱れが、勉強に大いに影響する。「人の和」を乱す行動は厳禁だし、乱してくる「テロリスト」世界的風潮としては実力で排除しなければならない。またテストという「ストレス」に耐えるためには、耐久訓練も当然必要になる。小テストをめんどうくさいと思ったり、嫌がるようでは望み薄だ。
特に高校生は学校で行われる小テストに、積極的に参加する姿勢が一番重要だ。塾や予備校に行く前にまず「目の前のこと」を片づけないと、不安や緊張に襲われるのは必至だ。不安や緊張からフリーな人などいない。小まめに参考書を調べることだけが「不安や緊張」を緩和できる。
単語集や漢字練習帳もコンパクトなものを必携し、再読・熟読しなければならない。巷によくある「たったこれだけで点が取れる」風なものでも何かの役に立つかもしれないし、1行ぐらいは良いことが書いてあるかもしれないから、なんでも読んで目を通してみることが大切だ。新品を買うのが損な気がするなら、アマゾン出品の通販古本屋さんで購入するのも「あり」だ。
具体的にどう開発するか、が、一番肝心で、これらすべてやはり以前から主張している「精神的な成長」だろう。なにしろノーベル賞受賞者に認められたわけで、私は間違っていなかったし、それらをあくまで「点数を取るため」に具体的に絞り、実践してきたことになる。やっぱり私ももっと粘り強く研究しておくべきだった。惜しい。
で、今なぜ「非認知能力」なのか、その歴史的背景も入れて少し考えてみたい。