生徒は教科書をあまりよく見ていない現実がある
特に不定詞は形容詞的用法の部分に変遷が見られた。
形容詞的用法の決まり文句といえば、a lot of things to do today(今日しなければならない多くのこと)とかsomething cold to drink(何か冷たい飲み物) だが、積極的に本文中に示している教科書は少なかった。というよりあまり見たことがなかった。下欄に書いてあるのは良い方で、全然なかったりした。ようやっと最近になって出てきたので今度は「アリバイ作りに出しただけじゃないよな?」と疑ってかかっていて、取り敢えず安心はしたが、覚えてもらうことが急務になっている。
ただ日頃中学生に接しているとわかるのだが、本当に彼らの大半は物を見ていない。この点は自信を持って言える。目の前に答えが書いてあるのに気が付かない、文字は読めるようだが、意味がわからなかったりするのは頻繁にあることだ。
だから教科書を作っている人に「自信」と「確信」を持ってお薦めする。大事なことを教科書のど真ん中に、もっと大きな文字で、できれば赤い字で書いておいて欲しい。それでも彼らは気が付かないだろう。というのは、彼らは教科書を開いて見ないからだ。
なんか先生が配ったプリントか何かをよく見ている。
塾では教科書の英文を覚えて書けるように指導しているが、塾に来て初めてやった、という人が多いぐらいだし、「こんなに真剣に教科書を読んだことがない」とまで言う人も多い。それぐらい教科書は冷遇された存在で、ちょっとカワイソウだ。
で、話は不定詞に戻る。
特に形容詞的用法だが、高校になると the idea to travel to Mars とか the ability to solve the problem などが当たり前に出てくる。そこでこのテキストでは、中学・高校の枠をはずして「形容詞的用法と相性の良い名詞」も紹介してしまった。高校入試の問題でも良く出るタイプを、もう先に知ってしまった方が良いだろう、と思ったからだ。
形容詞節用法は和訳が多様で中々大変
すると少し鋭い人が「今までの英語となんか違う」という感想をよく述べる。その通りで、形容詞的用法は実は和訳方法が非常に多い。よくあるのが「~しなければならない…」で、例えば a lot of things to do today だが、この和訳だけ知っていても、太刀打ちできないのが形容詞的用法だ。
他に「~できる」でもいいし「~してくれる」でもいい。「~という」でもいい。つまり「和訳の自由度」がかなり高い。
the teacher to teach English でも
the room to use this morning でも
the story to tell the importance of honesty でもいいわけだ。
だから急に世界が広がる感じがしたから「なんか今までと違う」と言ったのだろう。確かに坂をのぼりつめると広い野原に出たのだが、目の前に大きな城、いうなれば敵要塞がド~ンと出現したみたいなものだ。
さて今から「要塞攻略戦」が始まる。攻略であって破壊ではない。機能ごと「乗っ取る=奪取する」のが目的だ。よって「武器弾薬」「人員」「機材」はきちんとそろっているか、点検した方がよい。そして平原での集団戦ではなく、要塞攻撃の方法を知っているか確認し、「長期戦」を覚悟し、後ろから敵が出現することも予想しておいた方がよい。
不定詞を勉強した人は、本当にわかっているか点検するべきだ。その後、助動詞なり未来形の復習もある。例の否定文・疑問文・特別疑問文への転換練習が、十分つめないまま不定詞に突入だと、経験上、混乱する人が続出したことが多かったからだ。「後ろからの敵の出現」とはつまりこれだ。目の前の「要塞攻略」に集中するために、ぜひ必要な準備行動、と考えてもらいたい。———–
中学3年生諸君は当然すべての定期テストが「天王山」だが、中学2年生諸君だって大変だ。中だるみの人たちは今回の英語新課程はもっと大変だ。1年でさぼっていた人は相当ひどい目にあうから、しっかり勉強と復習をしないといけない。