過去問を解かずに入学した

一番面白い印象を受けたのが、「公立高校の過去の問題も解かないで入学できた」というM高校生だった。学校の勉強レベルでふうふう言っている、偏差値50以下だった過去の彼・彼女が、中3になって公立高校の過去問題集を本屋で開けてみると、ものすごい情報量の文字が襲ってきて、めまいがしたらしい。親・保護者に買ってこい、と命令された手前、買うが家でそれを開けることはなかった、と言う。

「見なかったことにしよう」である。

で、その高校入試の赤本はどうしたの?と聞くと、執念深いのか、単に忘れていたのかもしれないが、なんと持っていたりする。せっかく買ったんだ、読んでみようと言うと、素直に持ってくる。当たり前だが、高校でやりなおしている人なら、数学もちゃんと解けるし、長いと思っていた英文でも「こんなものか」と思えるはずだ。

実力不足もあるが、正面から向き合わなかったことが最大の敗因と気が付かなければならない

情報収集を怠った・拒否した・避けた、そして中学で自分を磨くことをさぼったことが本当の敗因だから、大学入試はちゃんとやろう、とアドバイスをすると、次の日に、自分の行きたい大学の過去問題を買ってくる行動力を発揮することもある。

こうなればしめたもので、毎日10分間必ずその過去問を「見る」のですよ、と勧めると、その気が出てきたのか、ちゃんと実行する。「臥薪嘗胆」を実践するわけだ。

このような「リベンジ」に目覚めないと、50以下の高校からは、レベルの低い大学にしかいけないし、それがいわゆる「Fランク大学」だと、もっと大変なことになる。専門学校に行くか就職した方が良いのだが、現在の高校の先生は、高校生の就職活動を支援することより、「とりあえず大学行っておけば」と勧める方がラクだし、親・保護者も自分たちの時代の意識で「大学ぐらい出ていなければ」と思ってしまうと、4年後に苦しむことも多い。

まだ試合は続行中と考えよう

希望通りの高校に入れなかったとしても、すねたり、あきらめて座り込んでいるヒマはない。それなりの名の通った大学に行きたいのなら、「敗者復活戦」にさっさとエントリーしなければならない。

中学生ではまだ大学は、遠い話だ。しかし高校生になったのなら「試合は続行中だ」と気を取り直して、自軍の現状を把握し、弱点を補強し、相手の構成を観察して「付け入る隙はないか」と探さなければならない。でないと「二連敗」となってしまう。せめて星を戻して「一勝一敗」に持ち込まなければ、後の人生、しんどくなる。

なにはともあれ、希望通りの高校に入れない、というのは、けっこう痛いものだ、というのは変わりがなく、それは当人にしか分からない。親・保護者はそういう事態を回避するためにも中学生のご子弟が、情報収集を怠っていないか、必ず監視することが大切だ。

情報収集をしていない人は例外なく「逃げて」いるのである。

ただし親・保護者が率先して情報収集をするのはだめ。促す、宥める、賺す、脅かすなりして、本人からするように仕向けなければならない。一番良くないのが、親・保護者がその高校のファンになることと、アンチになることだ。今、例にあげたM高校だって「家から近くて便利だし、学生の間ぐらいのんびりしたい」のポジティブ・シンキングで通っている人だって多いのである。