単語は少しの間違いも「覚えていない」のと同じ
この季節によくある相談が「単語が覚えられない・英文が覚えられない」だ。しかしレベルや次元が違う場合で対応も違っている。最初に「しない」「できない」と「どうできないのか」を分けなければならない。
現在の日本では高卒でないと、アルバイトも見つからない。この現状は革命でも起きない限り、今のところ変えようもない。全然覚える気がない、というツワモノは、本当にそのままで良いのか、現状を鑑みて(ゲンジョウヲカンガミテと読む)から決めるべきだ。自分の人生に自分で責任を持つ、というのならそれでいいだろう。しかし「自分が責任を取る」としても、多くの人間に迷惑をかけることになるから、「自分だけが責任を取る」ことは不可能なことは忘れないようにしたい。
でも少しでも「まずいな」と思っているのなら、方向を転換した方が良い。そして単語も覚えない、計算問題も放置状態、という子供になってしまった原因は、子供半分、親・保護者半分だから、親・保護者は、脅すなり、宥めるなり、賺すなりして、色々説得した方がよい。うまくノセてくれる指導者も探した方が良い。
その年齢でしかできない、その年齢でやっておかないといけないことは、この世に多数ある。その中には大学進学や結婚など「取り返しや、やり直しがきくもの」が多い。しかし高校入試は「やり直し」がきかない、一番のものだ。しかも３年と期限が決まっていて、内申に入るのはたいてい２年の２学期からなので、それまでに体制を構築しないといけないから、実質は１年半だ。
結果、さて本人がこれではいけない、単語ぐらい覚えなければ、と思ったとする。
本題はここからだ。
グループ分けして工夫する
よくやる方法が、１つの単語を何回もノートに書く、という方法だ。でもこれもやり方がある。例えば計10個ぐらい、ちょうどいいのでは、１月～12月の英語の月名のテストを明日しますよ、という宿題が出たとする。
バカ正直で、勉強に慣れていない人は January , February , March , April と最初から覚えようとする。そして時間をかけた割には、結果、２個ぐらいしか正確には覚えられない。後はぐちゃぐちゃだったり、合成していたりする。工夫ぐらいは自分で考えて欲しいのだが、それまで「自分で工夫する」を経験したことがない人もいる。素直で正直なのは良い事だが、無策は困る。だからネットなどで「こうやれば覚えられる」という記事が載ると、バズったりする。でも詰め込み教育最後の世代にしたら「そんなん当たり前でしょ」というぐらいのものが多い。
まず「単語はちょっとでも間違えれば『覚えていない』のと同じ」とキツイことを生徒に自覚させる。
話は元に戻って、どうやるか？
常套手段は12個の月名を４つにグループ分けする。「弱いもの=短くて覚えるのがラクそうなもの」から始めるのは，戦術の基本だ。
短い May, June , July
(特に May を may, June を Jun , July をJury と書かせるミスを狙って試験に良く出る)
次に April , March , August
(特に March を Mach , August を Augst と書かせるミスを狙って試験に良く出る)
次に September , October , November , December
(特に October を Octorber とか、Octber , Octover と書くミスを狙って試験に良く出る。このグループはすべて r を１つだけ使う)
最後は January , February
(特に February を Febrary , Febraly と書かせるミスを狙って、試験に良く出る)
そして１個につき３回～５回書いたら、すぐ次に行って、それを３回～５回書く。１つの単語だけ、10も20も書かない。この作業を３回セットでやったら、グループ全体をテストする。だめだったものだけをもう２セットやって、またグループ全体をする。できれば夜寝る前にもやって、起きたらすぐにまたやってみる。もちろん発音もする。
机の前につづりを書いた紙を貼っておくのは有効だ。
２グループ目が済んだら、１＋２グループ全体をする。
３グループ目が済んだら１＋２＋３グループ、４グループ済んだら全部…という風に進める。
それを毎日、まるでペンキ塗りみたいに、薄く何度も「塗る」ことを繰り返す。
このように、あることを学習する=覚えるのには、１回で３時間費やすより、３回で１回１時間に分ける方が絶対に良い。そもそも３時間も集中してできるわけがない。３回やることは、学習の習慣化=日常化にもなる。
つまり、日本に住んでいれば、お米の飯を食べない日が無いように、学習を「食習慣化」すること。
これが単語を覚える一番良い方法だ。そして覚えた後は、使わなければいけない。英語のノートを広げたら、日付を書く時に、英語の月名と数字(序数で)を絶対に使うようにする。これだけで変わってくるだろう。
