⑤ アウトロータイプとは距離を置く
アウトローとは「法律を守らない人」、簡単に言えば悪い事をする人だ。小学生の時はそうでもなかったのに、中学生になって「悪い子」と付き合い始める人がいる。この年齢はそういう人たちと接触してみたい年頃だ。
でも絶対にそうしてはいけない。敵対しろというのではない。接触するな、ということだ。世の中には良い医者もいれば、悪い医者もいる。良い警察官もいれば、悪い警察官もいる。
しかし良いヤクザはいないのである。
近年、中学生の男子や女子が相次いで事件に巻き込まれ、残念ながら死亡した事件が相次いだ。まだはっきりとはわからないが、おそらく殺されてしまったケースもある。
彼らのことを責める気はまったくない。経験値がないから見極めができなかったのだ。
ただ共通した事実として言えることは「自分から危険なものに近づいた」ということだ。
それは人であったり、状況であったりする。死亡した人たちに共通することは夜間に出かけていた、親切を装って近づいてきた見知らぬ人について行ってしまった、という点だ。
あるいは引っ越しをしてきて、近所にできた友人が、結果として悪い人たちだったということもあった。
家庭内の事情もあったのはわかる。でもこんなことをしては、自分から地雷が埋まっている危険地帯に踏み込むようなものだ。
4月に中学生になって、その年の夏には、あるいは3学期には、この世に存在しなくなってしまったのだ。そんなこと誰が予想しただろうか?
では経験がないならどうすれば良いか。
近づかないことしかない。あるいは「なんだかやばいぞ」と思ったら、接触をやめることだ。
アウトロー的な言動をする人に憧れる気持ちもわかるが、危険だからやめるべきだ。また危険なことをする友達には、学校内で接触するのはいいが、学校の外で行動を共にしてはいけない。
3年生になれば、そういう人たちは、最後にひと悶着を起こすかもしれないが、自然に学校では存在感がなくなっていく。普通の賢明な人たちが、自分を守るために、接触をしなくなり、あと数か月で卒業になるのだから、いくらそのような人たちが主張しても「時間切れ」になるだけだからだ。
高校と違って中学校は「強制的に卒業」だ。その事実の前には、どんなにケンカが強くても、無力である。
そうであるなら、最初から近づかない方が礼儀正しい。荒ぶる「鬼神」は祀り上げ、敬して遠ざけておくのが正しい。最初は付き合っておきながら、都合が悪くなったからと言って、途中で離れる方がよっぽど失礼だ。
⑥ 親・保護者とけんかしても家を出るな、がまんしなさい。
⑤と同じ事態になるからだ。
親・保護者が中学生諸君に怒ったり、けんかしたりする理由は、明らかな虐待の場合を除いて、ほとんどの中学生には理解できない場合が多い。「なんでそうなるの?」と訊ねても、親・保護者自身が言葉を持っていない場合もある。
そういう時はじっと我慢して時間が経つのを待つしかない。
気分を変えるために別の事に目を向けよう。
ある程度の年齢にならないとわからないことは、確かにこの世にはとても多いのである。
以上6点が中学生を見続けてきた私からのアドバイスだ。
できれば素直な気持ちで聞いてほしい。
高校や大学、ひいては結婚などは、確かに人生の一大事ではあるが、やり直しが効く。進んだ高校が嫌なら退学して高校認定テストを受ける、あるいは大学を変わる、あるいは離婚するとかで「リセット」ができる。
でも中学生活は、やり直しがきかない時間帯だ、ということを絶対に忘れないこと。
では、楽しく、有意義な中学生活を送ってください。