英文法のために作った

この VITALs は 「とりあえず目の前の明らかな危機」を解消するために作った。英会話のことなど考えていない。そもそも週に2回ほどの英会話教室で効果がある人の方が珍しい。1日8時間ほど英語ばかりの世界にして、初めて効果があるだろう。実例がある。

私は色々な人を見てきた。中には日本人でない人、つまり在日韓国人の子弟で、朝鮮学校に通う子供だ。彼らは日本に生まれ、日本の環境で生きてきたから、中身は日本人だ。ただそれでは韓国に里帰りした時、親戚の人たちと意思疎通ができないし、韓国の文化を直接に理解することができない。だから親・保護者たちは、できる限り韓国語を教えている。「娘と韓ドラをいっしょに見たいからです」と言うお母さんもいた。はまりましたね~と突っ込むと、ふふふと笑っていたのが印象的だった。

ちなみに韓ドラは一昔前の日本のホームドラマみたいなのが多く、筋書きもあまり複雑でないから、気軽に見れるのが特徴だ。ただセットがどんなドラマでも「使いまわし」しているからほぼ同じ、というところが面白くもある。最近の日本のテレビドラマは筋が複雑で、真剣に見ないといけないから疲れる、という方にはお勧めかもしれない。

話が逸れた。で、家庭でできる限り教えていても、限界がある。だから朝鮮学校では、校門を入ったらもう韓国語しか使ったらだめ、という規則になっていて、プリントも、授業も、先生の掛け声も指示も全部韓国語だ。まさに日本にある「異世界」である。そして週に5日と半日(最近土曜日も午前中授業になっている。いわゆる半ドンだ)、1週間で8時間×5日=約40時間韓国語で過ごす。これを単純に300日やるとしたら8×300=2400時間で、だいたい1年生~3年生ぐらいの間に韓国語が読めて、書けて、話せて、聞き取れるようになる。だから3×2400時間=7200時間ぐらいは必要ということがわかる。

現代の日本でそれぐらい英語をマスターする機会を設けている公教育機関があるのだろうか?
普通はないはずだし、これからもないだろう。

そのようなことを解決するためではなく、今度の中間テストや期末テストであまりひどい点を回避し、その後、時間を作って復習して、まあ70点ぐらいを目指す、という人のためにもなるだろう。
もちろん、素早く英文法を「手に入れたい」人のためにもなる。

単語は豊富になったが、英文法の基本は変化なし

例えば今、there構文と言う文法事項があるが、私が中学生のころは behind など使ったことが記憶にあまりない。でも最近はよく出る。in front of などもそうだ。英会話力を着けるために、幅を広げたからだろう。

その上で、
There are a lot of buildings in front of the old castle.
などという文が平気で登場する。

英語が嫌いで苦手になっている人なら、一つ一つの単語はわかっても、文の表す意味はさっぱりわからない、という事態が発生しているはずだ。もしこのブログを読んでいる奇特な人で、中学生のご子弟をお持ちなら、この文を見せて一発で和訳ができるかどうか確認した方が良い。

また中学3年で10月を過ぎているなら、
The people I met there yesterday were very kind to us.なども良い。

このように単語一つ一つはわかっても、文法がわかっていなければ、文全体の意味はさっぱり、ということが続出する。そういう人が1からやり直せる説明書はないか、目の前の不愉快な事態を解決できるようなものはないか、という気持ちで作った。

ただし3年分を理解するために問題はすべてやることになるから、甘くはない。楽をすることと怠けることは違う。文法だけでもそれぐらい大変だ、という自覚を持って進めてもらいた。