なぜか漫画「ハイキュー!!」の話から
連載は終わってしまったが、「ハイキュー!!」はホントに面白かった。おかげでバレーボールの見方まで深化した。
実は私はあまりバレーボールのことは知らなかった。バスケットボールは自分がやっていたこともあって、一応の理窟はわかっているし、サッカーやラグビーは、同じように「敵味方入り乱れて」のスポーツだから、見ていてもわかるのだが、「ネットをはさんでの対決」形式のテニスやバレーボールは、勝手が違っていた。
色々勝手が違うが、一番は、サーブのことだ。
バスケットボールでは、センターサークルでのジャンプから、まさにボールの奪い合いで試合が始まる。その点バレーは完全に相手にボールを渡して、攻撃のチャンスまで渡すから、なんだか納得できなかった記憶がある。サッカーやラグビーも、相手陣地に蹴りこんで始まるじゃないか、と言われそうだが、サッカーやラグビーは「陣取り」だからまあ許せるのである。
また私の子供のころはサイドアウト制でサーブ権がないと、得点にならなかったから、試合時間が長くて飽きてしまった記憶がある。現在はラリーポイント制だから、スピーディになった。
漫画って「具体的」なのでわかりやすい
しかしもっと親近感が湧いたは、「ハイキュー!」を読んでから「勝つための方程式」が同じであることに、大げさだが、感銘を受けたからだ。そこでちょっと気になったシーンを抜粋する。
主人公が所属する学校チームは「烏野(からすの)高校 排球部」だが、その烏野高校は宮城県大会決勝で、全国レベルでも王者の白鳥沢学園と対決することになった。白鳥沢のエースは、ジャパン・ユースにも選ばれている、超高校級スパイカー・牛島若利、通称ウシワカだが、ここで烏野のコーチが、選手たちにこう指示する。
「ウシワカを抑えなければ勝利はない。しかしその前に「対ウシワカ」の構図を作ることが必要だ」と。
強敵チームに勝つには、そのチームのエースをできる限り、抑えこむのは当然として、その前に、サブエース(普通のチームに行けば十分エースレベルで、たいていオフェンスとディフェンスにいるから、つまり複数)も抑えなければならない。彼らに良いようにやられては、エースが出てこなくても負けてしまうからだ。
これはどんな勝負事にもあてはまる
私は、一介の、市井の塾講師に過ぎないが、国家だろうが、スポーツだろうが、「大戦略」というものはいっしょだと考えている。そして受験でも同じだ。
受験生たちで、この理屈をわかって、状況打破に励んでいる人と、そうでない人では半年後ぐらいに大きな差ができてしまっている。
自分にとっての「相手エース=強敵」が数学なら、他の科目、英語・理科・国語などは抑えこんでいて、夏休みとかの休暇中に、数学に専念できる体制を作り上げているように、日頃から勤しんでいるのだろうか?一度自分を顧みて、よく考えてもらいたい。
他科目間だけではなく、単独の科目の中でも同じ事が言える。
例えば数学の計算問題で、肝心なところでミスをする変な癖がついている人は、角度を求める計算で100-85を平気で25としたりする。これでは数学の「エース問題」である、相似や三平方の定理の花形問題と出会う前に、敗退してしまうであろう。英語でも同じだ。
大切なのは自分で考えること
またエースを抑える場面になったとしても、50%ではおぼつかない。少なくとも60%~80%抑えることができなければならない。そこまで考えて、もちろん自分で考えている人だけが成功する。一番大切なのは「自分で考えること」、ありふれた言葉だが、それを実行しているのだろうか。
休み直前だから、今一度、自分を振り返ってみて、欲しいのだ。
まだ続く。