働き方改革と連動して

実行できたかどうかは不明だが、「働き方改革」が進んでいるらしい。そこで「3人のレンガ職人」の話を使う、高校入試の論文問題が登場した。まずはこのサイトをご覧ください。

イソップ寓話「3人のレンガ職人」に学ぶ、モチベーション高く働く従業員を育てるヒント

2012年の東京都立高校では、これを題材に小論文を書かせる課題が出た。あれから結構色々な学校でも取り上げられているので、少し紹介するとともに、「多様性」という観点を考える材料にしてみる。

添えられている設問文には「あなたは将来、どちらの態度で仕事をしたいですか」が一番多かったと思う。そこで毎年、小論文を書かないといけない生徒には、書いてもらっていたし、書く暇がない時は、考えてもらっている。

さて1番から3番までのどれを選択して小論文を書くだろうか?

選択問題ではないのが注意

見え見えの「選択肢」だわ、そんなん3番が一番喜ばれるだろう~で、決めてかかることはやめた方が良い。これはどんなものを選んで書いても良い小論文であって、「解答」を求められる選択問題ではない。

むしろ逆に、どの選択肢でも自分の意見を持てるように、日頃から子供と話をしておくことが良いだろう。自分を偽ることほど、苦痛はない。

1の意見を素直に採用する子供は、たぶん彼・彼女が勉強が嫌いで、しかも成績が悪いことが多いのは当然としても、勉強していても、さらに成績が良かったとしても、それが自分のためでない場合もある。

でも「そんなんではいけない」とけなしたり、「そもそも仕事とは…」と説教する前に「へえ、そう考えるのか」と認め、今一度意見交換をする必要がある。その時にむしろ面白い意見も出るかもしれない。

主題は「多様性」と思われる

私も含めて99.999…%の人が平凡人だ。凡人で、仕事が好きな人はまずいない。仕事は、本人にとっては収入を得るため=生きるため≒強制されるものだから、イヤイヤ通勤電車に乗り(最近はテレワークの場合もあるけど)、イヤイヤ仕事をして、できれば残業などしたくないが、やらないと家計がモタナイからで、やっていることが多い。

私もこの仕事をやめてしまいたい時も、やっぱりあったし、今でも時々ある。うまく行かない時は、うまく行かない。変な生徒ばかり来る時もあったし、生徒が良くても、なんだか自分の調子が出ずに、空回りする日々が長く続いたこともあった。仕事が嫌な時は、集中力も長続きしないし、わずかにあるはずの創造力も、0に近くなる。難しいことはなるべく避けたい。

勉強だって小学校低学年の時は面白く感じても、学年が上がるにつれて、難しくなり、算数が数学になったり、英語が必修になった時点で、一杯一杯になったり、苦手になり、面白くなくなった経験がある親・保護者もいるだろう。理科や社会、あるいは国語でも良い。

だから「お仕事が嫌な時が、なるべく短い方がいいね」と子供に教えておく必要も出て来るだろう。素直に自分の過去を振り返って、子供と「やらないといけないこと≒仕事が、苦痛のままでは人生がしんどいぜ」と腹を割って話し合う良い機会ではないだろうか。

まだ続く。