漫画・アニメ・映画・小説の力が欲しい

良いも悪いもあまりよくわかっていない未成年の年少者に、スマホの危険性を教えるのは、当方としては特に何も言うことはないぐらい、多くの人が主張しているので、そちらに任せたい。

それより中学生が巻き込まれる事件は、「自分たちの周りはあまり安全ではないことを認識するべきだ」という警告のはずなのだが、「ファンタジー」的なアニメや映画の影響もあるのか、どこに宿泊しても危険がない、という認識になっているのかもしれない。例えば「スタンドバイミー」や、ポケモンなどはあまりにも「危険がなさすぎる」点がちょっと心配だ。もっとリアルに「この世は危険だ」と訴えるものがあったらいいのに、と考えてしまう。

やはりここは現代作家の力をもってして、できれば超一流の人に、「連想しやすい、具体的な危険のある世界」を背景に、ベストセラーになるような少年少女向けの作品を作ってもらいたい。考え付く方法は、映画、アニメ、漫画、そして小説か。出版社はそういう企画を打ち出すべきだ。

古典的なものでは、「十五少年漂流記」だ。ニュージーランドの港に係留していた船が、いつの間にかとも綱がはずれてしまい、沖に流されあげく太平洋を横断して、南アメリカの端にある小さな島に流れ着く。乗り組んでいた15人の少年たちがさまざまな危険を克服し、最後は島に流れ着いた悪人たちをも撃退して、自国に帰り着く話だ。

この小説は、現代と違って、銃や大砲、ピストルなどを少年たちが持っている点を除けば、リアルにサバイバルだ。作中で猛獣が潜むかもしれないジャングルを抜けることもあるし、遠征隊が一泊して、起きて前方を見れば一面沼地だったとか、結構危ない場面も出てくる。最終に近い場面では、主人公の1人、フランス人少年のブリアンがジャガーと格闘して負傷することもある。ジュール・ベルヌはやはり天才だ。

これに倣って、現代のルポライターは夜遅くまで繁華街をうろつくことや、夜を外で過ごすことがどんなに危険かと、小学生や中学生にもっと訴え、ドキュメンタリーフィルムを作り、学校ではそれを皆で見て、「危険なものは危険。自分は大丈夫だ、は過信で油断」を強く主張する。感想文を書くのはちょっと大変だから、学校でももっとその後、感想を自由に述べるようにする。こういう時、学校というシステムは本当に役に立つ。もうすぐ夏休みだから、事件を起こさないためには、考えられることは、何でもやった方が良い。

警察の生活安全課も権限と予算を増やす

それでも家出や仲間に誘われて、徘徊する人が出るのは避けられない。よっぽど家が嫌なのか、それとも家の中が「危険」なのかもしれない。「やむをえず」してしまう人のためには、行政の出番だろう。警察も生活課をもう少し独立させた部署にして、地方と都会の連携を強め、サイバーポリスの人員も増やし、少子化の現在、まずは現状を維持できるように、今存在する子供たちを守れる力を増やさなければいけない。

夫婦のDV被害を防ぐために「シェルター」があるが、似たようなものを子供用にも設置する。問題は子供がそういう施設の事を思いつくか、だ。啓発活動も地道にしないといけない。

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夏休みが近づくと、子供の頃の楽しかった記憶より、最近起きた事件のことばかり思い出してしまうのが、少し嫌なのですよ。もう少し何とかならなかったのかなぁ~と言う例が多くて。

少しでも被害を減らせる工夫を思いつけたらいいのですが、今のところ、これが限界のようです。