数学は1年生だからこそ絶対に手を抜いてはいけない

今は英語の改正のため、英語英語と草木もなびく状態だが、私が一番恐れている事態は英語学習にかまけて、数学が疎かになってしまうことだ。よって少ししつこいがもう少し続ける。

よくあるのが「計算はできるが文章問題はできない」という主張だ。しかし人は自分には甘いので鵜呑みにはできない。本人が「計算はできる」と思い込んでいるだけで、実はあまりできていないこともあるから要チェックだ。そこで計算も正確にできない場合から検討してみる。

具体的には、正負の計算分野からはパターンを覚えてるかどうかをチェックし、さらにその中で「大切なもの」は以下と思われる。

①-5-3 = -2としていないか。もちろん ー3-5 = -2もだめ。
②式の中に( )の2乗や3乗があるときは先にそれを計算しているか。
③四則混合問題の解き方を知っているか。また正しく適用できているか。
④仮平均の出し方を知っているか。
⑤絶対値の文章問題、たとえば「AはBより大きく、Aの絶対値が5で、Aの絶対値はBの絶対値より2小さい場合のA、Bを求める」などはすぐに解けるか。

2年レベルができない人は1年レベルに戻ってやり直す

文字式の取り扱いは2年レベルができない場合は、1年レベルもできないことが多いので、急がば回れのことわざに従う方が良い。一番注意する点は以下の4つ
①a-3a = -2aとすぐにできるか。
②a/3 - a/2 = 2a/6-3a/6 = ーa/6 とすぐに「通分」が思い浮かぶか。 また分子が負の数になることに気がつくか。
③3(x-2)-2(x + 4) などで、後ろのかっこを開くときに、ー2xー8 と、すべての項の符合が逆転できるか。
④指数が違うと、同類項ではない、と認識しているか。

重要なのは「うかつな人」「自分に甘い人」がいくら「ここがポイントだ」と思っていても、正解率はあまり上がらない。逆に言えば「よく注意する人」「自分に厳しい人」なら正解率が上がる。

間違えたら、間違った部分だけ赤で直して「次は間違えないぞ」などと言っているようでは、ほぼ確実にまた間違う。必ず最初からやり直すことを自分に義務付けなければならない。

この時、繰り返し指摘する指導者を「うっとうしいな」と思うようでは、たぶん成長は望めない。うっとうしいのは学習者の性根や頭に巣食う「うかつなこと」「甘いこと」の方だ、と気が付くこと。です。

間違って気分が悪いなら、それを解消することを考える。ここでポイントは将来役に立つから勉強しておきなさい、とよく大人は言うが、そんなこと、中学生にはわからないし、明日死んでしまえば「将来」などない。目の前の不愉快なことを無くすことだけを考えるように諭す。「気持ちいいか、悪いか。悪いなら、悪い原因をなくす」の姿勢の方が中学生には受け入れやすいと、指導する側は意識すること。

多くの人が苦手とする2年分野 式の計算は乗除の混じったパターンで、しかもそれに分数が入っている、下のようなタイプだ。合えばそれでいいわけだから、カッコなど付けていないで、こんな感じでやる。


計算中心の方式に慣れている人は「速く解く」だけにこだわりがちだ。定期テストでは「どう解くか」だけでなく教科書の中にある「用語」や「定義」まで問う。実力テストや入試とはここが違う。

学校の先生は一応は言ってるはずなのだが、聞いている方が左から右に聞き流していることも多い。「できる」友達でも「教えることができる」とは限らないし、 彼あるいは彼女の時間を奪うことにもなるから、あまりしつこくはできないし、友達をなくすきっかけにもなりかねない。よって、自衛策としては、細かいところは、指導者かご家庭でチェックするしかないだろう。