もうすぐ小学校は一斉に卒業式を迎える。
そこで中学生で必要なことを、具体的に紹介したい。
独り言みたいなものだから気楽に、でも現場の人間の報告だから、まじめに受け取って欲しい。

① 体力をつけておく。

これは切実な問題で、体力がない人には中学生活はつらい。小学校でもいわゆる「早行き・遅行き」がある。4月生まれの人と3月生まれの人ではほぼ1年差があって、小学校3年ぐらいまでは、走るのでも、耐久力でも差があったはずだ。

中学生になると、これがもっと大きくなる。弱い人なら、夏でもインフルエンザになるような人もいたぐらいだ。

特に男子は第2次性徴を迎えるこの時、中学2年ぐらいまでは、元気な時と、そうでない時の差が激しい。女子も月経前にはつらい人も増えてくる。

日頃から体力増強に努めることと、自分の体調の変化の波や兆候=予告をキチンと知ることだ。例えば背中がゾクッとしたり、鼻がむずむずする、顔のどこかが痛い時は〇〇の前触れだ、と見極めて、その対策もマニュアル化しておくのが賢いやり方だ。なのにその前触れを無視して、遊びに行くとか、夜更かしをするとかするようでは賢いとは言えないだろう。勉強ができる以前の話をまずクリアすることだ。

② 細かいことに気が付ける人になる

「大らかで、物事にこだわらない」と言うと良い表現で、小学校ではこういう態度が好まれるが、逆に言えば「細かいことに気が付かない粗雑」とも取れる。これが中学校では嫌われるのだ。

中学の勉強や生活では、まさにこの「細かいことに気が付ける、緻密な観察力と実行力」が必要になる。

例えば「おがた=尾形」君と「おかだ=岡田」君は、濁点の位置が少し違うだけだが、全くの別人だ。また「ごうかく=合格」と「こうかく=降格」では全く違う。

「たい焼き」と「たこ焼き」では1文字だけ違うが、間違えて買ってきたら、役目を果たしていない。

「晴美」を「はるみ」と読めば女性だが、「はるよし」と読めば男性だから、やはり間違って読むと、大変に失礼なことになる。さらに同じ「たけし」でも、男性女性両方に使える

似たようなことが、中学の勉強や生活でよくある。そこに気が付ける人と、気が付けない人では大きな差が付いてくる。2兆個の小さな小さな細胞で、あなたの体はできているのと同じだ。

目はただ開けているだけではダメだ。
「真実は細部に宿る」という名言がある。そして真実を見つけたいのなら、「見よう、見てやる、見つけてやる」と思って「見なけれ」ば、見つからない。

勉強する時に、特に役に立つ態度だ。例えば、英語で辞書を調べる時に、見つけたい単語が「ある」と思って探す人は、早く見つけることができるが、「あるのかな~」の態度で探している人は、ものすごく時間がかかったり、見つけられないこともある。このようなオバカなことにならないようにする。

普通の先生は、このようなことは注意しない。経験の浅い塾の先生でも同じだ。皆、精神論を避けるからだ。しかし人間に精神と肉体があることは確かだ。体だけ育ってもだめ。精神も育たないと、バランスを崩し、現実に対応できなくなる。

大きな穴に自分から落ちる人はいないだろう。誰にでも、見えているからだ。人がつまづくことは、例外なく、よく見ないと見えない、小さなことだ。

その時の「転び方」がヘタだと、手首を捻挫することもある。これは骨を折るより、痛いし、長引くし、もしそれが利き腕なら、お風呂に入るのにも、食事をするのにも苦労するし、ズキズキしてしばらく安眠もできない。

「転ばぬ先の杖」である「眼力」を精神的に、身に付けることだ。

小学校では笑って済ませることができた事が、中学校では致命的な事になる。中学生活は「細かい事」に注意することでなりたっている、と考えなければいけない。