夏期講習を受ける・受けないに関係なく

これは新課程だろうが、旧課程だろうが、どんな時にも当てはまるだろう。特に中学2年生は、変な言い方だが、夏休みは「慎重に」過ごすべきだ。

部活動は、センパイはほぼ全員が引退して、「自分たちの天下」。「~大会で優勝するぞ」と個人個人が意識を高く持って練習している場合もあれば、集団圧力もあって惰性で続けている場合もある。どちらにしても暑~い最中に、ほぼ毎日部活動に通っている姿を見ると、単純にすごいな~と感心する。

しかし、1学期の期末で、数学や英語で60点以下を取った人は、警戒レベルが上がっている。本来なら部活動に時間を削っている余裕はない。部活動は内申点に入る、は都市伝説だ。もしそうなら、体が弱い人や、年の離れた弟妹の保育園からのお迎えをしなければならないなどの家庭の事情があって、部活動に参加できない場合は内申点を稼げない。公教育にそんなあからさまな不公平があってはならない。ましてや「学校部活動全盛」は「終わりの始まり」だし、先生ご本人も、部活動監督を引き受けるのを躊躇している時代だ。

60点というのは大変微妙な点数だ。できているとも言えないし、できていないとも言えない。40点よりは良いが、80点よりは悪い。20点ずつの「差」は、逆に考えて、得点60とは失点40のことだ。半分近くが自分の味方ではない。もし味方60が「分裂」すれば、あっというまに、「少数派」に転落だ。もちろん中学3年間通じてず~と同じ60点のままだった人もいたが、これは大変珍しいことだ。よって楽観的に「中間をキープしている」と考えずに、「い崩壊するか、予断を許さない不安定な点数」だ。

適切な指導と、適切な消化・吸収がない限り、特に秋から数学は「一次関数」、英語は「不定詞」が登場するからたいていはバランスを失って40点~30点に落ちる。

そのためには1年分野の「比例・反比例」の復習と、英語の再確認は最低限、夏休み中にきちんとすませておく。学校が出す夏休み課題もそれを見越して与えているのだろうが、60点の人は「自分で解ける」のだろうか?解けるのなら問題ないが、解ける人の現実得点が60点というのはありえない、変な話だ。

勉強だけではない

崩壊を引き起こすのは、勉強時間の不足だけではなく、人間関係、異性関係も大いに影響する可能性がある。思春期の人たちは、ひょんなことで、もめたりする
あるいは家庭内が不安定だったり、特に親子の仲が悪いと、今言った傾向が強くなる。成績が悪くても、親が子供を受け入れている場合は良いが、そうでない時は、さらなる成績低下につながる。

スマホは勉強にとって「破壊工作員」だ。特に最近は LINE とかで、常時つながっていないと不安になるらしい。面倒な時代で、このような時に学生でなくて良かった、と考えている自分がいる。子供に持たせるなら必ず「夜は9時以降触らせないことを必須条件にした家庭内ルール」を守ることを合意し、それを明文化=紙に書いて、見えるところに貼っておくことが、絶対に必要だ。

塾や家庭教師のテコ入れがあった場合でも、困ったことに「その効果」が出るのは、2学期の半ば、10月半ばの中間テストだ。もしその結果が悪ければ、順調な再スタートを切った友達を横目で見て焦ることになる。

しかし、どれだけの時間があるだろうか。
志望校の決定は、来年3年生になった2学期の、11月中にある期末テスト後だ。そうなればあと1年間の6回の定期テスト、長期休暇は冬・春・夏の3回しか残っていない。挽回できない、とは言わないが、苦しいことは事実だろう。部活の引退まで8か月以上あることも「足かせ」になる。

よって中学2年の夏休みの過ごし方は、簡単そうに見えて、実は中々難しい。
中2の夏が終わったら、後1年とちょっとしかない」ということを重々承知の上で、保護者の方は、勉強環境以外に、友達環境にも、家庭環境にも気を配り、中2年の夏休みを過ごす計画を立てておくべきだ。

あまり子供任せはやめておいた方がいい。中学生はしょせん中学生で、子供である。自主性を期待するのはいいとして、彼らに「中長期的な視野を持つこと」までを期待すると、取り返しのつかないことになる。


前回、付属池田小事件を少し話題に出しました。悪質で不愉快極まる事件でしたが、私の知り合いのお子さんは、犯人も事件現象も見なかったので、特にトラウマにもならずに、成長していったようで、その点は安堵した記憶があります。

いやいや、梅雨だというのに暑いです。もう少しで夏至ですが、夏至までこのように晴天が続くと、地表の温度が上がったまま、夏になるわけで、どうやら今年も猛暑は確実です。嫌ですけど、覚悟は必要です。