小論文は最初は「お固く」始めない。

雑談レベルのテーマで、まずは原稿用紙に書くことに慣れる。いきなり「◎◎高校に入って君は何をしたいか、将来何になりたいか」という定番テーマは、一番最後に書いた方が良いし、最初に「道」を決めてしまうと、それに「憑りつかれる」ことが多いので、やめる。

それよりは「発想の材料集め」「発想の仕方の練習」として、
「テーマA…飼うとしたら犬と猫のどちらがいいですか」とか
「テーマB…冬の寒い日に食べるならおでんですか、それとも肉まんですか」
「テーマC…最近3か月で『マジっすか?』と思ったことは何ですか」

などの軽いノリのテーマから始める。

そもそも日記を書くことすら習慣になっていない子供も多いし、学校での作文と言っても「教師に気に入られるための作文」しか、書かないことも多い。これでは「個性の発現」も、へったくれも、あったものではない。よって身近なテーマ、極端に言えば雑談レベルのお題から始める方が、とっつきやすい。

そして100字ぐらい書けたら「お前はエライ!」と心底から褒める。実際にエライのだから。このわけは後で述べたい。実は文句をたくさん言いたいので、この話題を出した。

必ず直接・具体的体験による本人的感想を組み込む。

赤はちょこっと使うからインパクトがある。廊下の非常ベル、ネットサイトの赤ボタン、あるいは女性の口紅も同じ。最初のテーマAなら「なぜ犬あるいは猫が可愛いと思った直接的理由…モフモフしていたから、お手をしたから」、テーマBなら「ちくわが好きだから」、テーマCなら「おばけだと思ったから」とか何でもいいから、自分の体験を組み込む。小論文に絶対必要なのがこれだ。

で、問題なのはここだ。
もし体験が全然無い時や、極端に少ない場合はどうするの? だ。人生経験の少ない中学生なら十分ありうることだ。

まじめな生徒は「ウソは書けない!」と思ってしまうだろう。しかし小論文で点を稼ぎたいなら、小悪党ぐらいにはならなければいけない、と親・保護者は、あるいは指導者は諭さなければならない。

ウソをついたことのない人がいないのも事実で真実だし、でも、なるべくならウソはつきたくないのが人情で、まともな感覚だ。そこは尊重してこう言う。

「気まぐれコンセプト2000」より

こうアドバイスすると、優等生君や才女さんほど「良いんですか?」とたいていは尋ねてくるが、大悪党、あるいはペテン師である私は胸を張って(?)「いいんです」と答えることにしている。

あるいは「これは祖国防衛戦争なのだ。どんな策を使っても良いから勝たなければいけないのだ」とも言っている。ほとんど詐欺師かペテン師のノリだ。

「気まぐれコンセプト2000」より

まだ続く。