マンション建設が盛んだが
家から少し離れたところに、建設されて3年ばかりの大型マンションがある。このマンションは市の肝いりで作られたもので、価格もそんなに高くはないのだが、まだ3分の1ぐらいしか入居者が入っていない。夕方に、犬の散歩でそばを通ることが多いので、明かりがほとんどの部屋についていないから、外からでも良くわかる。
今はまだ日没の時刻が早いから特に目立つ。ほとんど隣も隣もその隣も空き室では、入居者は心細くないかな?とか変な心配をしたりする。
駅まで歩いて15分ぐらいだし、自転車を使えば5分ぐらいだろう。近くに大型のスーパー、安売りで有名な業務スーパーもあるので、生活には不便はないはず。ついでに言えば、市役所や消防署、警察署までも近いし、何と言っても、面前の広場にでかい病院ができる。これで火事や盗難、急病に遭っても大丈夫だ。後はテロぐらいか。
だが、なんでこんなに空き部屋が多いのか、素人、特に学習指導者の立場から考えている。不動産業のプロの目から別の意見があるかもしれないが、案外当たっているかも。
入居者は住民税や文化サービスをよく観察している
入居者にどういう年齢を期待しているのかで、解答は違ってくる。もし定年退職の年齢の入居者たちを期待しているのなら、もう少し価格を下げるか、介護施設のさらなる拡充とか、常に職員が見回り・声掛けをしてくれるなどの住民サービスを充実させるのが良いだろう。
しかし子育て世代、あるいはこれから子供を持とうかな?と考えている若夫婦などの年齢の入居者を期待するなら、マンション施設の充実や価格を抑えるなどしてもだめだと思う。
一番の原因は「文化度が低いから」だ。治安が悪いからではない。
学校のレベルはどうか
実名は伏せるが、このマンションの近所の小学校や中学校、そして恐らく多くの人が通うであろう公立の高校では、あまり高い教育を期待できないからだ。ただしすごく低いというわけではない。偏差値でいうなら45~50というところか。
だから当塾でも、もう少し成績を上げて、50~60ぐらいのところを狙えるようにして欲しい、という要望が一番多い。選択肢を増やして、隣市である伊丹市や尼崎市、宝塚市にある高校へ行きたい、通わせたい、というわけ。
あるいは学力が低くても、何か「面白い事」をしているのなら、例えば、NHKなどがよく特集で組んでいる「地域社会の慣習行事と学校」のようなものがあれば、また話は別だが、残念なことに、やはり何もないからだ。
何かの原因⇒人⇒町であり、町⇒人は町が繁栄してからだ
昔からこの地に住んでいて、持家で、家族の勤務状況では、引っ越しの予想などつかない人間なら、ああ自分はあの小学校や中学校に通うのだな、という半分諦め(?)みたいな形で、上記の学校に通う場合が多い。
私もそうだった。曽祖父母の時代を合算すれば、私の家は、この地に150年近くは住んでいることになる。だからこそ、高校ぐらいは、今自分が住んでいるところとは別のところに行きたかったから、伊丹市の高校を選び、私の子供も私と同じ高校を選んだ。これは亡父の予想した通りだった。しかしよそから越してくる人は、なるべくベスト・チョイスを絶対に採る。チャンスでもあるからだ。
人が集まったから、「町」になったのだ。そして人が集まるのにはワケがあるはず。そこに金が発見されたのかもしれないし、そこの土壌が良いからかもしれない。町並みだけ作っても、町にはならないだろう。どうやら為政者はそこがわかっていないようだ。
まだ続く。