「一期一会」の精神
実は「忙しい」という言葉が何だか嫌いで、いかにも閑ですよ、閑で閑で困っています~という顔をしていることにしている。でも内実はやはりそれなりに忙しい。
ナニシロ事務員さんも別の講師さんもいないショボイ塾で、私が死んだらハイソレマデヨだから、自分で何もかもしなければならない。だからそれなりに忙しい。もし家族の誰かが要介護にでもなったら、その時点で我が塾は終焉を迎える。それはそれで運命だから仕方ないな、と諦観している。。
なので「一期一会」の精神で、来てくれる方にはなるべく親切する。情けは人のためならず、巡り巡ってすべて自分のためにあるから。
一番多い相談は2つある
冬から春のこの時期に増えてくる相談は、やはり中学で我が子がついていけるかどうか、という内容が多い。さすがに中学3年で「どこか通らないでしょうか」という人はいない。恐らく諦めているか、どこか別の塾にでも通っておられるのだろう。別の塾にも通っている人の話によると、土曜日は2時から8時ぐらいまで授業や自習があるらしい。大変だな、とまさに他人事のように考えている。
次の相談が「私立中学に通わせたいので方法を教えて欲しい」だ。
これは少し困った相談でもある。私は「公立高校合格」を専門にしているので門外漢に等しいのだが、もしかするとその人が、誰か別の人に当塾を薦めてくれるかもしれないからという不純な動機から、知っている限りのことをお教えすることにしている。
具体的な方法はそれを専門にしている塾にしてください、とお願いした後、私がいつもしている一番のアドバイスが「通わせたいその私立中学の先生の授業を生で見ることができるか」「その私立中学の英語と数学の授業は、どういうカリキュラムを組み、具体的にどういう教科書や問題集を使っているのか」をきちんと把握しておられますか? だ。
親・保護者だからこそ、気になるのはよくわかる
どうしても偏差値とか、難易度とか、入学金だとか、アクセスだとか、学校の雰囲気だとか、卒業生がどこに進学しているかが気になるのは、同じ人の親・保護者の情としてわかる。
しかし合格して通うのは、ご子弟本人なのである。
その子がうまく授業について行けたらよいが、人生は何があるかわからない。挫折する可能性も否定できない。その時フォローするためには、授業の進め方に合わすことのできる人間を雇う必要も、短期間でもあるかもしれない。
実際そういう人を受け持ったこともあるが、うまく行く時とうまく行かない時がある。なにしろ私立中学・高校は独自の進め方をするし、それが売りでもある。中学1年から「文法」と「読解」と「作文」と「会話」に完全に分けて進むこともある。最近はもっと増えそうだ。こうなると各コース間での連携が取れていない時は生徒は困ったことになる。
そんなことあるのかな、とお思いになるだろうが、「司令塔のいないチーム」だとよくある現象だ。純粋な営利企業などの「上意下達」の組織ではあり得ないが、教員間の独立が名目の学校内では、時々起きる。そこは私立も公立も関係ない。
まだ続く。