内申点制度は諸刃の剣に見える

どんな制度にも欠点と良点がある。特にこの内申点制度はその両面が強いなあ、と常々感じている。

日頃の生活態度や、提出物、授業への参加態度などを見て、さらにテストの点数も見るわけだから、付けている方も大変だな、と感心している。メンドクサガリの私では無理だ。特に人を評価する、ということには自信がない。ただし人のクセを見抜くのは割合得意な方ではある。

受験、特に進学私立高や、上位公立高校になると独自のテストを設けているのが普通で、これに対抗するには学校の勉強だけではまず無理だ。もし細かな事にいつも気が付けるほど優秀で、自己抑制心が強く、向上心も持ち合わせている「おませ」な中学生なら、1人でもできるが、どれか一つでも欠けている場合は、誰かを利用、あるいは頼ることになる。つまり塾とか家庭教師の出番になる。

でも問題はここではない。失敗した時だ。それも「受験用の勉強」ばかりしていて、内申点をきちんと稼いでいなかった時に大問題になる。有体に言えば、塾や家庭教師の方針に忠実に従いすぎて、学校での学習態度があまり良くなかった時や、提出物が「こんなの簡単だ」とばかりに、適当な「やっつけ仕事」で済ませていたり、数学では凝ったひねった問題はできるのに、なぜか基礎的な問題で間違えたりしてしまうようなくせが付いているとか、国語で長文の解き方・読み取り方はできるのに、日々の語彙力増加を怠っていて、社会常識などの不足が見られる場合だ。

このような時でも、志望校が私立の場合はまだ良い。公立の第1希望を受けるチャンスが、たいていはあるからだ。一番問題なのが、真の志望校の私立にも落ちて、公立の第1志望にも落ちて、公立の第2志望校しか行きようがない、という場合が一番本人的には「修羅場」だろう。

偏差値も10違うと、ほとんど「別世界の住民」に囲まれる

今まで一生懸命に難しい問題を解いて、自主性を育んできたのに、受験の失敗から、自分とだいぶん違う人たちと過ごす環境になってしまう。このような真の「進学校」と「自称・進学校」との差はあまりにも大きいのが現状で、それに悩まされる人たちも数多く見てきた。

そうならない方がいいから、一生懸命勉強して、受験に成功すれば良いのだが、勝負事は運にも大きく左右される。例えば受験日前後に体調を崩すとか、流行の病気にかかるとかすると悲惨である。特に昨今は新型肺炎コロナウイルスという厄介なものもある。ただし厄介なものにしているのは、人間の対応、特に日本政府の対応だ。

かく言う私の高校受験時にも、「風疹=三日はしか」が流行していた。幸運にも受験当日はまだ発病していなかったので、無事に受けて、合格をこの目で確認できたが、緊張以上に、何か体調がおかしいな~という自覚があったことを、何十年も前のことなのに覚えている。

合格後、高校に提出する色々な書類を書いたり、集めている最中に、とうとう発熱が始まり、そのまま隔離されて、1週間ほど寝込んだことがある。寝込みながら「試験の日でなくてよかった」と何度も安心した。だが友人の中には、発病して当日に受けることができなかった人もいたのも事実だ。

例えば今年、阪神間では「はしか」が、もしかすると流行するかもしれない。ニュースで見た方もおられるだろう。最近の中学生ぐらいから30才ぐらいの人までは、予防接種を受けていなかったり、子供のときに罹患しなかった人が多い。ここ30年ぐらい「はしか」が「下火」になっていたことも原因だ。十分注意する必要がある。もっともかかる時は、いくら用心してもかかるけど。

まだ続く。