年の瀬も押し迫ってきた。欧米では年末はそれほどでもなく、感謝祭のほうが盛り上がるらしい。しかし年の瀬を意識するのは、年神様という概念を持つ日本人らしいな、と思う。

で、この時期になると受験も目の前で、ふうふう言うのが数学である、という話題で続けているが、続編で「数学がうまく行かない人の対策」とする。

その1 小学校の算数の時から、ず~っとダメという人

これは重症であり、気の毒な人でもある。そもそも小学校の時からきちんと指導を受けなければいけない・指導しなければならない人なのに、親・保護者および学校の指導者、もしかすると塾の先生の怠慢の犠牲者である場合もあるし、もちろん本人にもかなり責任がある。

ただこれにも段階があって、教科書レベルはかなりちゃんと覚えていてできるが、それより上になるとダメ、という人はまだなんとかなるかもしれない。

「それより上」とはハイクラスの問題集の発展問題とか、入試改題レベルのことで、これは訓練しないとできないからだ。ある程度の基礎はできているのだから、中学校の数学の問題も「やや難」レベルに挑戦することで練れてくるだろう。

でも小学校の高学年の教科書レベルができない、という人はそれこそ、その小学校段階からやり直す必要がある。時々いる「分数の計算ができない」という人でもある。

このような人に必要なのは、「逃げても無駄だから、とにかく頑張って取り組もう」という覚悟だ。中学生・高校生諸君は言ってみれば「牧場で出荷を待っている牛や馬(ただし食用ではないく、働き手としての需要)」で、牧場内で隠れたつもりでも、時間が来れば強制的に、外へ出されてしまう。その時に、皆と同じ門から出ようとしても「お前はこっちだ」と別の門へ連れられていき、出てみると誰もいなかった、という悲しい事態が起きる。

そうならないためにも「なんともならないのはちょっと自覚しているが、それを強引に無視して『なんとかなる』と自分をごまかす」ことは、絶対にしてはいけない。

その2 慌てん坊やおっちょこちょいな人

能力ではなく性格、あるいは脳の働きの問題だから、中々解決は難しい。分数の割り算なのに、逆数にするのを忘れたり、問題文を読んでいなかったりするのに、何回注意してもその傾向が減らない人をたくさん見てきた。

数学に限らず、「慌てん坊」「おっちょこちょい」の人は勉強では結果を出すのが難しい。やはり痛い目に遭うしか治ることはない。なるべくすごく悪い点数を取ることを期待して(?)、取ってしまった時に、数学の学習時間を増やす合意を形成するように、持っていくのが最善の策だ。

具体的にあわてんぼうやおっちょこちょいを矯正する方法は、「1行多く書く」ことをだるいとか、メンドウだと思わないように、としっかり諭し、実行させることだ

私がまだ高校生で、計算力アップに悩んでいる時、医学部に合格した先輩に「ある問題を7秒でやる人と、10秒でやる人は、結局10秒の人が勝つ。7秒の人は確実に間違え、2度計算して14秒になるからだ」と忠告されたことが、私には、とても大きかった。

まだ続く。