しつこいようだが形容詞節は難しい
なんだか前回は後置修飾の話が薄かった。しつこいようだが、付け加えておきたい。
後置修飾は前にある名詞を後ろから修飾するパターンで、中学英語では
1年生の最初に
the pictures of my family(家族の写真)の形容詞句から始まって
2年生ではto不定詞で
the room to clean today(今日掃除する予定の部屋)
3年生では関係代名詞を使って
the room which my family live in(私の家族が住んでいる部屋)
と発展し、高校では
the idea that we can travel to the moon(月に旅行するという考え)
などの同格の表現までいたる。
と書いてしまうと簡単だが、中学生では中々これを理解し、身につけることが難しい。特に公立の中学だと生徒の質がそれこそ「ピンキリ」だ。例えば「あなたは毎日英語を勉強します」の日本語を You every day English study .として平気な人もたくさんいる。日本語を「英語での正しい順番」に変える訓練ができていないまま学年が上がる人が多いからだ。
そして、こういう「ミス」をするのは、レベルの低いひとだけでなく、むしろ社会や国語のテストの成績は良い「日本語はとても得意」な人が意外に多い。日本語の扱いに長けているからの「ミス」で、英語独特の順番と日本語の順番を調整することに抵抗があるからだ、和訳以前の話で、このような「ミス」すらできない。
クラスレベルを2段階ではなく3段階に分けた方が良い
塾は成績でクラスが分かれるし、個人指導ならまあ大丈夫かもしれない。それでも主語→述語→目的語の順番を飲み込むのに時間はかかる。それがわかった後、名詞→主語(名詞や代名詞)→述語(助動詞や動詞)の順番になった時は「後ろが前の名詞を修飾しています」と頭を切り替えないといけない。
公立中学では、多種多様なレベルの生徒が混在する環境のまま、英語学習を始める方が、元々無理がある。できれば1年生1学期の成績から、3段階レベルに分けてしまう方がよい。しかし識者の言うところの「悪しき平等主義」、ウラは「他人への嫉妬と被保護者への失望」もあって中々実現は難しい。最近は2レベルに分けているところも増えたが、それでも無理がある。3レベルぐらいがちょうど良い。
関係代名詞 who which that があれば、まだわかるかもしれない。でも形容詞節だとそれもない。ただ順番だけが頼りだ。そのような意識を急に形成できるのだろうか?
経験から言うと、まず無理だ。それを達成するなら、それこそ1年生のときから
the pictures of my family
(家族の写真)
the boy from America
(アメリカからきた少年)
the book on the desk
(机の上にある本)
などを口酸っぱく、聞く相手は「耳タコ」状態になるまで、しつこくず~っと指摘し続ける必要がある。しかしそれを実行できる教科書はあまりない。また指導する側もだ。しかも、ハードは今回の改定のように理想家に良いように変えられる危険がある。
VITALs には「形容詞句」の項目も大きく取り上げている。役に立てばいいな、と思っている。