英語だけ取り上げるのも癪に障るので

片手落ちになるから、今年改訂になった新しい数学の教科書についての感想も述べておく。
もっとも手元にあるのは数研出版の「これからの新しい数学」という本しかない。内容はどうかというと、「教える内容が増えたのではなく、解法の説明やら、コツまで掲載したので、分厚くなった」と言った方が良い。これは前に述べたことがある。そこで「証拠」をあげる。なんだかエラソーだ。

例えば20年前の「ゆとり」ど真ん中の教科書と、最近と今年使用される教科書を並べてみる。左端が平成8年初版の「東京書籍 新しい数学」、中央がこの前、平成20年~最近までの教科書、一番右端が今年令和3年出版の「数研出版 これからの数学」だ。

平成8年版はまさに「ゆとり教育」全盛の時のものだ。面積も体積も小さいし、説明は少ないしで、これを見たら誰でも、「これならレベルが落ちるわけだ」と思うだろう。

しかし少し待ってほしい。
実は大きさに関しては、平成10年ぐらいから、B5からA4になった。パソコンの普及と使いやすいOS(Windows 95 から始まる汎用型オペレィテイング・システムのこと) ≒インターネットによるウェブサイトの閲覧≒プリンターの普及が原因だ。普通のウェブサイト、いわゆるホームページは、それをそのまま100%の大きさで印刷すると、良心的なホームページ制作者はA4に収まるように作っている。これが「標準化」したためか、教科書もA4版が主流になった。

「証拠物件」としてもう一枚画像を上げる。

左が平成17年初版のものだ。大きさに関しての「悪意的な印象操作」は避けれたと思う。次にが何を主張したいかというと、教科書準拠の問題集だ。これも画像を上げる。もし中学生や大人が見たら、「あ、今(あるいは昔に)持っている(持っていた)のと同じだ」と思うだろうが、左は平成8年のもので、中央は平成15年、一番右は去年までの問題集で、どれも「東京書籍 新しい数学」に準拠した学校問題集だ。

これらを一生懸命に解いて、書き込んで、提出しないと内申点を取ることができないのだから、実際問題としては、教科書より重要なアイテムと言える。時々これを紛失する「ウッカリさん」がいるから困ったものだ(中には盗難や、自分のものを勘違いして持ち帰ってしまうこともあるけど)。

これらの教科書やら問題集やらは、生徒の残していったもので、私にとっては貴重なものだ。日の目を見ることが(?)できて、これらも嬉しかろう。「この問題集に載っている問題を解けるか、解けるようになるか、試験までに自分のものにできるか」が一定以上の点数を上げる方法だ。

問題集にはさんでいる解答集はかなり詳しいが、「ゆとり教育」=「週5日制」に対応するためだと思う。私の過ごした1970年代にはなかった。そもそも学校指定の教科書準拠問題集がなかった。こんな詳しい解答集があるのが羨ましい。

平成7年
平成15年
令和1年

さて問題集の中身だが、平成7年版からずらりと並べてみると、よく似通った問題がたくさんある。つまり、いわゆる「国の教育方針」がどんなに変化しても、出題される内容はほぼ変化していない。またさすがに教科書は保存していないが、「昭和の証拠」として、昭和60年の市販の問題集が残っている。外見とその中身は右端のもので、こんな感じ。次ブログで改めて考えてみたい。