改めて中学2年生を取り上げる

前ブログではどちらかと言うと、中1年を中心に取り上げた。でも一番緊急性が高いのは、中2生なので、ここで改めて、取り上げようと思う。

中2の2学期期末か学年末に理科がぐっと難しくなる。電気分野か気象分野が範囲に入るからだ。特に電気分野を得意として理系に進むなら、高校に入って物理を選択・主力科目にするだろう。電気・電子分野の基礎中の基礎で、コンデンサーなど学習することは異常に多いところでもある。教科書などで基礎を勉強したら、ただちに難問題集に取り掛かる必要がある。これは前にも述べた。

中学2年生で、ここに来るまで、英語と数学の「形」を作っている人なら、この難しい分野に対応できる時間的余裕を持っているが、まだだと大変なことになる。戦争なら陣地や要塞の構築を完成して、敵を待ち受けることができているか否かの状況に似ている。

中学理科の電気分野は、1年でやった比例と反比例が理解できていることと、気象分野は百分率の計算力が必須だからだ。そういう人・そうでない人をたくさん見てきた。もちろん理科はできるけど英語と数学はちょっとという人もいたけど、たいていは英語も数学も理科も高得点ではない、が大半だ。

英語も数学も一段と難しくなる

中2の1月と2月は英語は比較構文、数学は図形の証明、進度の速い学校だと確率の登場だ。どれを取っても強者だ。英語も数学も60点~70点ぐらいだと、油断はできない。実はその兆候は2学期の期末テストで見えているはずで、冬休みにまたがった期間の弱点補強がとても大切だ。これは前ブログでも色々と強調しておいた。

クリスマスやお正月など、色々と楽しいことがある季節ではある。しかし学生にとって世間一般の休暇は休みではない、自分の弱点と向き合う貴重な時間だ、と心得て、実行した人に成功の可能性は高くなる。偏差値45~50≒平均点からの脱出を果し、もはや55~60に達している人たちに追いつき、席を確保するため絶好の機会到来なのだ。

中学2年生の学年末テストでの失敗は痛い

さて嫌な話だが、もし学年末テストで失敗したらどうなるか。もちろん今度は頑張るぞ、となるのだが、困ったことにそのリベンジは5月中旬の3年生の1学期中間テストまで待たなければならない。途中に実力テストのある学校なら、それがリベンジの対象になる。どちらにしても次のテストまで時間がありすぎるのが、この3学期学年末テストの「欠点」でもある。

「次は頑張るぞ」という緊張が持続するのはかなり疑問だ。疑問と言うより、恐らく無理だろう。中学3年になる、という人生の一大行事(?)を迎えているその時期は、不安はあるだろうが、春爛漫で、気候もいいし、最高学年になったこともあって、しょぼい部活動でも「がんばらねば」となることも多い。つまり勉強が疎かになる可能性の方が高い。だからこそ、ぜひ学年末テストは成功裏に終わりたいものだ。

中学3年の春は数学も例の展開・因数分解の公式が登場し、英語は過去分詞を使う受動態と現在完了形の登場でもある。相当な「手練れ」になっていないと苦戦は必至であるが、逆に英語や数学が得意になってきた人にとっては開花の時期でもある。

冬に実力を蓄えてきた人たちが、一気にスパートするだろう。ウチのような弱小塾でもそういう人が出てくる。希望の少しレベルの高い高校へ進学するためにはここで出遅れないようにしなければならない。中学3年の夏に勉強しない人はいないだろうから、中3の春が一つの勝負所になる。

今まさに正念場と考える

さて親・保護者は、このような危険な時期を乗り切るためにどう対応すればよいか。だからまずは中2の冬、まさに今ぐらいから、余裕があるなら塾なり家庭教師なり、個別指導なり、あるいは最近は契約する自習室などもあるから、そこに入れて勉強の習慣を無理にでも付けさせておくことだ。

本人がそういうところに通うのは嫌だ、というのなら、通わない代わりに、何時から何時までは絶対に何があっても勉強する、という約束を取り付けて、それを紙に書いて、家族が見えるところに額に入れて貼っておくなりして、呈示する必要がある。もちろんその時間帯にはスマホや携帯、タブレットやパソコンは封印しておくことも大切だ。ただし学習用のタブレットは例外とする。

そしてその約束を破ったのなら、「罰」を与えなければならない。ただし虐待ではない。「本人にとって苦痛になること」をするのも、約束事に明記しておく。例えば掃除をするとか、買い物に行くとか、ゲームを制限するとか、昆虫の写真を見るとか(虫が嫌いな人には「風の谷のナウシカ」はホラー映画です)、いくらでも「本人にとって苦痛」なことはあるだろうから、それは各家庭で判断する。

そして等価交換として親・保護者も何かを必ずする・やり遂げる、あるいは何かをしないことも明記する。子供相手にバカバカしいかもしれないが、親・保護者も本気だぞ、という姿勢を見せることが大切だ。

期限付きで頑張ろう

ただしこの約束は期限を付けておいた方がよい。ずっとだと、そのうち本人も、親・保護者もダレてくる。でも、いい加減な人でも、2か月とか3か月と限られたら、案外守ろうとするものだ。1か月でも良い。そして期限が来たらまた見直す、という約束も明記しておくこと。

これは多くの塾生の親・保護者に提案して受け入れてもらった方法だ。大人の世界では約束を破ったら、損害賠償を請求されたり、返金を要求される。子供にも「損害賠償」とか「返金」を要求しても良いだろう。褒めて育てる、なんていうのは中途半端なことだ。褒める時は褒める、叱る時は叱る、でいい。

長年の経験から、完全に春が来てしまうまでが勝負、と家族全員で心得ることを強く推奨する。