変な「癖」はつけないようにする

試験直前に普通の風邪、あるはインフルエンザやノロ、最近ではコロナに罹患することは、「事故」みたいなもので仕方がない。しかし試験前に体調を崩す「癖」をつけないようにすることは、学生の仕事、と私は考えている。そんな根性論は令和では通用しない、と言う勿れ。やる人はやってしまうのを、昭和・平成の世で何遍も見た私が言うのだから、間違いはない。これは時代を通しての「真理」みたいなものだ。今上陛下には畏れ多いが、そもそも令和なんぞまだ「3才」の幼児であり、「実績」はないはずだ。

なぜこんなドジなことが起きるのだろう。恐らく、試験のために熱心に勉強するのはいいが、それを短期間でやろうとするから、疲労が蓄積して発熱するのだ。日頃から少しづつでも続けておけばその危険性は落ちる。勉強を日常の事、そう、お米の飯をほぼ毎日食べるように、自分に習慣づけることが一番の目標だ。でも、一番難しい。病気でもないのに薬を飲み続けるみたいなものだ。

そのために前ブログでお薦めした「誓約」を親・保護者と交わし、実行すること。これはいつ体調を崩しても良い「勉強貯金」にもなる。あれやろう、これをしなければならない、という時に限って体調を崩してしまいがちだからだ。

1年や2年は体力だけでなく「脳」の持続力も弱い

話は元に戻って、普通の公立中学の1年生は身体的体力が2年、3年に劣るのは当然として、脳活動の持続力もはっきり言って低い。最近は特にそうだ。当塾でも、塾に入ったばかりで日が浅い人は、30分ごとにため息やあくびばかりしている。酷い人は10分ごとだったりする。小学校でかなり甘やかされてきたな、とわかる。

多くの塾は「適性テスト・入塾テスト」の段階で振り分けているから、そういう人は少ないかもしれない。でも当塾にはそのようなものはない。開設以来やったことがない。40年近く、私の見てきた人は、最初から「できている人」ではなく、それこそ、そのへんにいる普通の中学生だ。私の体質が M なのかもしれないが、このレポートはきっと全国どこにいる「一般的な生徒」に当てはまるだろう。

だから○○高校に何人入った、という他塾の広告を見てもあまり何も感じない。選ばずにその人数ならすごいとは思うが、選んでいるなら、成功する確率は高いに決まっているからだ。

親・保護者は、中学1年、そして中2年のご子弟の習慣付けを、まず目標としなければならない。家では3時間も4時間も勉強できるわけではないので、まずは30分持続するかどうかを試し、次に40分、50分、1時間と10分ずつ伸ばしていくことを継続して行い、2年生になった時の「勉強難度」の跳ね上がりについていける「脳内エネルギーの増強」作戦を、1年かけて取ることを強く推奨する。

続けていけば慣れる

ウチの塾でも1年の最初が今述べたような状態でも、とにかく続けていけば、1年の終わりぐらいになると、3時間の勉強会でも、かなり緊張を持続できるようになる。2年生でも同じだ。勉強の障害になるのは「疲労と病気」「脳内エネルギーの不足」もある、と想定しておくことが必要だ。肝心な時に案外陥ったりする。この12月、1月にその練習するのはいい機会だし、問題集も「できるところ」「やらないといけないところ」は結構たくさんあって、題材には事欠かない。

今、新しい流れの教育が始まろうとしているらしい。新しいから良いとは限らないが、始まるのだから仕方がない。でも基礎研究を疎かにした学問が伸びないように、基礎勉強を疎かにした生徒は、その流れには乗れないだろう。高校数学で有名な公式「解と係数の関係」 α + β = -b/a, αβ = c/a が壊れるわけもないように、中学生が勉強しないといけないことが変化するわけがない。そこを勘違いしては絶対にいけない。

ついでにちょっと文句を言うと

内申点制度を撤廃してしまえば、今のままでも、十分世界に通用する人材は育てられると、私は考えている。歴史的には、内申点制度のない時代に育った人間が、Sony、Toyota、National (現 Panasonic) を創り、育て、政治面でも敗戦後、外交でなんとかアメリカと付き合ってきたのだ。

でも内申点制度が導入されて以来、「いい子」ばかり育ってしまい、社会はシュリンク状態に陥ってしまった。学校の先生にとっては生徒を「管理」できるから、内申点制度は重宝なツールだ。しかし、そのために、世界に通用する「尖った人材」は生まれてこないだろう。

まだ続く。