洗濯物を畳む・大工仕事をする
例えば父・母・複数の子供がいる、いわゆる「普通の多くの家庭」で、洗濯物をたたみ、分類し、それらを家族に渡す、あるいはタンスなどに入れる、という家事はたいてい女性=母や子供の姉妹がやっていることが多い。男性=父や子供の兄弟がやるのは、まれではないか?もちろん「パパや息子にやらせると、結局私がすることになるから」と言って男性にさせないママさんもいるだろうけど。
逆に自宅で簡単な大工修理や、洗車などは、男性がやっていることが多いだろう。
それらを逆にする。
今の自分の性をチェンジするのは実際にはできない。しかし反対性を伸ばすなら、反対性のよくやる行動を実際にやってみる、真似ることが有効な疑似体験だ。そうすれば男性なら女性性、女性なら男性性を感じ、会得し、ひいては非認知能力を磨けるのではないか。
洗濯物は、女性のものを男の子がたたむのは、恥ずかしいかもしれないので、自分のものとお父さんや男兄弟のものや、タオルやシーツなどだけをたたむことにする。洗車でも手を切りそうなところはゴム手袋を必ずして、危険を防止することも必要だ。
家事の分担を復活させる
昔は電化製品が普及していなかったので、これらの「家事」は家族が分担してやってきた。人数が足りない時は、性別に関係なく、針仕事や洗い物などの細かい家事でも男性が、水を運ぶ力のいる家事でも女性がやった。だから自然にお互いに大変な部分を体験できた。炭鉱などでは女性も上半身裸になって働いていたという。しかし科学文明の発達とともに、家事を共有することはなくなってきた。このあたりから、子供に非認知能力が低下したのは、年代を見ても、合致している。
ならば意識的に取り入れてみるのが良い。単にお手伝いをさせるのでなく、「能力を向上させる修行」と位置づけて、積極的に取り組ませる。そして男の子に女の子特有のきめの細かさ、女の子に男の子の荒っぽさと勇敢さを体験させるのだ。
漫画も
「週刊少年ジャンプ」は女子の購読者がすごく増えている。恐らく編集者が、少子化対策として女の子の読者を獲得することを長期的に計画したためだろう。「少年ジャンプ」は改名して「少年少女ジャンプ」にしなければいけない。
これは、1970年「あしたのジョー」をアニメ化する時に、「殴り合いのシーンが多いから女性が見てくれないかもしれない」と思い、主人公・矢吹丈の声には、当時トップスターだったジャニーズのあおい輝彦氏を起用し、また「子供の漫画なんて…」と馬鹿にして見てくれそうもない、おっさん層を狙って、丹下段平の声には個性派舞台俳優だった藤岡重慶氏まで起用したことに似ている。そのころでは、突拍子で型破りで、考えもつかないような組み合わせの豪華声優陣と言える。
私の子供は、私の影響で少年漫画 帆船とその海戦を舞台にした「海皇紀」、昔から連綿と続く武術家を主人公にした「修羅の門シリーズ」のファンだ。これは、普通の女子では、まず読んでいない漫画だろう。小さいころは、影船 八番艦に乗ってみたい!操縦してみたい! 陸奥みたいに強くなりたい! とよく言っていた。だから平気で少年ジャンプを買ってくるようになり、友達同士で回し読みをしていた。
でもこれでは、女子だけが突出して非認知能力を磨いていることになって、男子は不利だ。よって男の子にも、少女漫画を読ませなければならない。実は私は、大学生のころ、少女漫画家 山岸凉子氏と川原泉氏のファンになって、今でもファンのままだ。両氏の感受性の高さにものすごく影響を受け、男性性一辺倒の、鈍感な自分を反省した記憶がある。節操のない、ただの漫画好きだっただけかもしれないが、身勝手に取れば、本能が「非認知能力を磨け!」と命令していたのだと思っている。
まだ続く。