前回で
「私は男性性と女性性を、一人の人間の内部でうまく配分すること、うまく育てることが、非認知能力の向上に、繋がっていると実は確信している。男性性と女性性の適切な発展が鍵だ。もしかすると人生の永遠のテーマかもしれない。子供たちを見ていると、どうもそうとしか思えないのだ」
と述べた。
ある程度は根拠もある。
非認知能力は次のビッグ・ファイブが要だ。
(1)勤勉、まじめ、強い責任感を持つこと
(2)開放的で強い好奇心を持ち、想像力、新しいものに親しむ気持ちを持つこと
(3)外向的で、社交を好み、他者と積極的に交わることができるコミュニケーション能力を持つこと
(4)協調して、仲間と協力すること
(5)精神的に安定していて、不安や緊張に強くなること
(1) 勤勉、まじめ、強い責任感を持つこと について
これは男子よりも女子の方が、よくできている印象がある。私が女の子に甘いからというわけではない。男子は、まじめにやろうとする者を素直に尊敬せずに、揶揄の対象にすることが基本的に多いからだ。はっきり言ってただの馬鹿である。まだ選別されていない、小学校や公立中学ぐらいだと「皆と同じ」でないと不安なのだろう。まじめにやられると、レベルの低い者はついていけないから、足を引っ張ろうとする。逆に言えば自尊心が邪魔をするのだ。自己保身と言ってよい。
男子でも、さすがに高校生になると、この傾向は低くなる。学校そのものが選別されてしまうし、通っている学校の中で、目の前に「本当にできる奴」が現れると、仰向けになって腹を見せる「降参犬」になることが多い。素直なことは良いことだ。
また勤勉=規則正しく行動することも、男子はたいていは苦手だ。安定性が好きなのだが、安定性を確保するためには、日常のメンテナンスが必要だ。そのため細々と「見回り」をしないといけないのが面倒だ、と感じるらしい。矛盾しているのだが、それが男性性たる所以だ。
女子は体の周期性を知っているが、男子は体力を過信している
その点女子は、月経による体の周期的な変化を体得しているし、していないと大変だから、規則正しく行動することが、自分にとって良いことだ、が本能的にわかっているように見受けられる。お肌のお手入れなど、男から見ると「よく続くな~」ということを、ずっとできるのは女性性たる所以だ。結果「安定性」を保持しているのは女性に多いことになる。睡眠不足もなるべくしないように心がけているのは、圧倒的に女子に多い。
逆に、男子は変に体力があり、同時に無限にあると錯覚しているものだから、部活に入れ込んだり、夜更かしなどを平気でやり、眠い、眠いを連発するオバカが多い。一度など私に「じゃあ、そこで横になって寝てしまえ」と一喝された人もいる。私は成績が悪くても嫌いなのではなく、こういうメンテナンスの下手な人が一番嫌いだ。男子の体力は「短距離の体力」という認識がないので、親・保護者がちゃんと言い聞かせないといけない。
どうも世間の風潮では「勤勉・まじめ」は、男子が、先天的に当然持っているように思われているが、私の見たところ、忘れ物が圧倒的に多いのは男子だ。どこが「勤勉・まじめ」なのか、いつも疑問に思っている。男子は後天的な訓練で、やっとその体質を会得する、と考えた方が良い。よって男性性が強い女子にも、注意した方がよいだろう。こういうところに親・保護者の「適切な介入と指導」が望まれるのだ。
まだ続く。