高校入試も少しずつ変わっていくその源泉は大学入試

直接に関わっていなくても、今後も大学入試には監視が必要だ。しかし危険を自覚している生徒のなんと少ない事か。危険を察知するのは私の役目なのだから仕方がないが、もう少し親・保護者にも、敏感になってもらいたいと思っている。

前ブログの内容をまとめると以下になる。
①「芥川龍之介」という名前が書けて、読めるかどうか?
②国語の教科書に掲載される彼の代表作品は「羅生門(1915年=大正4年初出で、1917年=大正6年に出版」か「杜子春(1920年=大正9年)」だが、そもそもこの2作品の存在を知っているか。
③知っているなら、どちらも漢字で書けるか。
④彼が活躍した時代はいつか。また彼はどのように死んだか。
⑤彼の他の作品を知っているか。それを漢字で書けるか。
⑥「羅生門」の描いている時代はいつか。
⑦「羅生門」の内容を大体でも知っているのか。
⑧「羅生門」に出ている「下人」は若いか、それとも年寄りか、判別できるか、その根拠は何か言えるか。
⑨「羅生門」のテーマは、何だと思えるか。
⑩「羅生門」が書かれた時代の、実際の政権運営していた人たちは誰か。
⑪「羅生門」のような状態が、なぜ都で起きていたか理由を知っているか。
⑫芥川龍之介は以上の事から、ある説話集に精通していたことがわかるが、その名前を述べなさい。またその著作集から、換骨奪胎して作り上げた作品は何か答えなさい。
⑬「羅生門」のような時代に、自分が生きていると仮定するなら、どのような生き方を選択するか。

今までの普通の人では①~⑧ぐらいまでを知るので精いっぱいだった。⑨からは全然無理だったし、高校生で⑨以上を深く、しかも自分の言葉で発表できる人は、そのうち登場する才女 B さんと、私の「キセキの世代」の OMさんと、もう一人J君ぐらいで、後はだめだった。

もちろん理系なら、別の分野で設問を設定してやることになる。 例えば、速度と加速度と距離の関係と、変化の割合と微分・積分になるだろう。速度を微分すれば加速度になり、とかそこからで、その場面に何か歴史的な事実を割り込ませる形になるだろう。

自分自身はどうだったのだろう?と考えてみると、高校生でも⑨までぐらいで、⑨自体も、少し危なかったと思う。同じことが数学や英語でも言えた。

早期から準備しなければアウトは確実

今後の生徒たちがどれだけできるように成長するかによるが、小学校・中学校で、相当な量の勉強をやっていないと、「共通テスト」で成功すること自体が不可能になる。というより「勝ち・負け」以前の話で、土俵にも上がれない人も多くなるだろう。もちろん受験すること=挑戦することは個人の自由だけれども。

結果、「共通テスト」で良い成績が取れる生徒が集まる大学と、そうでない大学の2通りに分派することになる。つまりセンターテストと何も変わりない。それがいいか悪いかだが、学校が選択淘汰されることはいいし、潰れるのもまあ仕方がないだろう。盛者必衰はこの世の理だから。

もちろん生徒個人については、今現在あまりできなくても、年を取ればできるようになる場合もあるから、精進は怠ってはならない。

しかし⑫はともかく、⑪と⑬を、普通の生徒にいきなり要求してできるのだろうか?芥川龍之介の生きた1920年代の時代背景を知っているのは日本史の知識だし、彼の作品を知っているのは文学史の知識、そして例えば「羅生門」や「杜子春」の内容なら国語の知識で、それらを統合して、見解を持たなければならない。

私は非常に疑問を持ち、とにかくこれからの時代は大変だな~と思っている。学校任せは絶対にできないですね。
親・保護者は本当にしっかりしないといけない。