弱点が多すぎる日本には戦争は無理

戦争になったら日本は、今まで上げた「弱点」が多すぎて絶対に負けるだろう。今の日本が裕福で強そうに見えるのは、軍事費や補給ラインを守る維持費=護衛費用が少ないからだ。日本は、中国を戦争を誘うような行動は絶対に禁物だ。前の戦争で学んだのはこれではないか? ガダルカナル島争奪戦や、ニューギニア戦で日本は「太平洋の泥沼」に引きずり込まれてしまった。それと同じことが起きて、日本は前の戦争以上の「泥沼」に引き込まれていくことになる。気が付けば日本人は一人もいなくなっているのではないか?

それに、もし何かの拍子に、なんとか日本が1回は勝利したとしよう。
しかし中国が「納得して負けを認める」とは思えない。確かに「中国4000年の歴史」は事実だが、前王朝の痕跡をほとんど破壊する行動をよく取る。中国内部の争いでもそうだから、他国となるともっと徹底的になる恐れがある。それが結果的には「メンツの国」を形成することになった、と私は考えている。だからやめておいた方がいい。ある意味、アメリカよりやっかいな国だ。

中国も弱小国相手なら良いが、日本レベルを相手にすると結果的に自分も滅びる

さて、中国は軍事的には勝つだろうが、もし仮に中国が日本レベルの国と戦争になったら、どうだろうか。結果的には、経済的に中国も確実に国家破算すると私は見ている。今、中国は「世界の工場」であり、経済も潤い、海上進出も目覚ましいものがある。しかし、正確には「世界が中国を工場にしている」だ。

それでなくても環境破壊と賃金上昇で、欧米資本は腰が浮いている。戦争になったら、これ幸い、と資本を引き揚げて、逃げ出すだろう。私でもそうする。 また現実に、中国では企業の債務割合が10年前と比べて倍以上、つまり借金の額がどんどん増えている。借金を解消するためには本来なら内需拡大を目指さなければいけないが、ここに来て、「成長疲れ」を起こしている。原因は「未来の見えない若者」の増加と、少子化の進み具合が激しくなっているからだ。これが中国の最大の弱みだ。

もう少し付け加えると、例の人権問題、ウイグル、チベットなど周辺の弱小国への迫害もこれから問題になってくる。中国はこのへんのことに極めて鈍感だ。なぜか?

中国は、中国=中華帝国=世界で一番エライ、と思っている。これが原因で、周辺の弱小国・弱小民族を「指導」する意識で、彼らの文化に介入し、中国流を押し付けて、果てはえげつないことまでしているが、罪の意識はない。たいていの団体の動向は始祖によって決まる傾向があるが、毛沢東がまさにこれだった。それを受け継いでいるだけと考えても良い。

次に中華思想だから、自分たちが一番エライと思っているため、諸外国は自分たちに貢いでくるもので、自分たちと対等だ、とは思っていない。これは外交経験が少ないことを意味する。さすがに21世紀にもなってこの意識は薄れてはいると思うが、人間も国も相当痛い目に遭わないと変われない。今の中国が軍拡に走っている原因は、1840年に起きたアヘン戦争のトラウマから始まるものだ。だから外交において変化する「原因」はまだ経験していない。経験するのはこれからだ。よって「人種差別⇒迫害をやって、外国から総スカンを喰らう」経験をしないと、やはり変われないと私は考えている。

日本は戦争をするには下手過ぎる国民性だからやめておいた方が良い

次に少しいじわるな言いたいこと4つ目。
日本は戦争が下手すぎる。いや、「戦争」すらできない、と私は考えている。前の戦争の末期になると、あれはもう戦争ではない。負けがこみはじめると、「国民内生き残り闘争」つまり共食いになる。一番やらないといけない「戦争を終わらせる行動」より、「終わらせるのは誰かがやるだろう、自分はまずどうやれば生き残れるか」という醜いことしか考えなくなる。

前に指摘したが「貴族」が「戦争を始める」が、「終わらせる『穢れ仕事』はやらない」からだ。いざとなると自分たちだけが生き残ろうとする。そして新体制で新しい地位を占めることだけを考える。これが無責任体制の根本だ。名前の通り五摂家の出身の近衛文麿がいい例だ。日本が対米戦に転がっていく時期に4回も首相を務め、(陸軍参謀次長の多田駿が必死に止めたにもかかわらず)盧溝橋事件の時は世論に迎合して戦線を拡大し、あげく三国同盟締結を後押しして、日本を破滅の道に導いた。

それらに全く責任を感じず、昭和天皇には「近衛は自分に都合のいいことばかり言っている」と呆れられ、生き残りをかけて戦後GHQに取り入ろうとした彼の醜態を見た、元外相 重光葵は「近衛公に至っては格別であるが」と吐き捨てるように残している。

来月8月のお盆の時期は、終戦=敗戦の時期と重なるから、テレビも「戦争は悲惨だ」を前面に打ち出す。それはいいけど、「なぜ戦争になったのか」をもう少し深く知らせるべきだ。そして当時の新聞記事やラジオ放送の原稿や音声、庶民の声なども合わせて、見せた方がよい。国民が支持した事実とその背景を語らずに、悲惨だけを打ち出すのは不平等だ。

番組構成も変えて、繰り返し「日本人は戦争が下手だ、戦争にすらならない、始めた時点で負け決定だ。日清・日露戦争はあくまで例外だ」、と訴えてもらいたい。戦争参加を口にする勇ましい政治家を支持すると、痛い目に遭うのは庶民だ。そもそも「愛国心」は、ず~と誰も持っていないように私には見える。そして庶民が持っていた素朴な郷土愛も、最近はなくなってきた感じがする。

付けたして5つ目。
本当に戦争に勝ちたいのなら、平等主義も、平均点尊重主義もやめること。しかもそれを、社会的に許容することが当たり前の社会にすること。一芸に秀でる人を本当に尊重する社会なら、戦争にも勝てるだろう。

もちろん平均して優秀な人間は、社会には必要だ。しかし、奇抜なことを考え付く戦術家や、冷徹無比な戦略家、あるいは柔軟で広視野な政治家は、ある意味「変人」だ。今の日本の教育形態では、そういう変人は疎外され、主流派に受け入れられない風潮がある。

また、人を人と思わない「野蛮な人間」でなければ、原爆やクラスター爆弾のような残虐な兵器は使えない。保持したり使用するなら、教育からやらないと無理だ。教育ができないなら、保持も使用も最初からやらないことだ。

味方を増やすのが一番いい

さらに付けたし6つ目
前の戦争で、日本は中国に、直接負けたわけではないが、中国はイギリスやアメリカまで引き込んで、戦略的に中国国民党、最終的には中国共産党は「勝利」した。あのしぶとさは見習うべきだ。またアメリカも、開戦当初は、アメリカ・イギリス・フランス・オランダ、そして中国国民党の5つぐらいしかなかった(ABCD包囲陣)が、太平洋戦争末期になると、オーストラリアを始めとして、南米のペルー、ブラジルまで含め、20~30国が連合国に参加していた。あの外交手腕はほんとに素晴らしい。自分1国でも十分勝てるのに、さらに味方を増やすのだから、勝利に対してどれだけ貪欲か、測れたものではない。見習うべきだ。前のイラク戦争でもそうだった。

戦争は損である。爆弾で家が破壊され、人が死んだら、完全にマイナスだ。復興して、新しく人が生まれて、ようやっとゼロに戻る。そこからプラスを目指すのはしんどくないか?「復興」に回すお金があるなら、戦争を避けることに使い、さらに「拡大」に使った方が、経済的にも精神的にも良いに決まっている。

また私が戦争を忌避するのは、人を狂わせるからだ。それでなくても人間は理性と感情のあやういバランスの上に立っている。この1点だけでも戦争は避けなければならないし、やるとしたら短期間で終わらせなければならない。

侵略されるなら反撃するが、それ以外はしないと心掛け、日頃から、自主防衛力を上げ、同時に、無償なり恩を売るなりして味方を増やす努力をして、一たび、急が起きた時は、仲間を集める。これが戦争を起こさない・避けるための、一番良い方法であることを忘れてはならない。さらには極端な話だが、今でも世界中どこかで戦争が起きているが、日本が安全ならそれでいい、と思うぐらい、冷徹で冷静な気持ちを持てるように、日頃からコントロールすることが一番大切なのではないか?