長々と書いてきたが、何を言いたいのか。
言いたいことの1つ目。
今の軍事情勢では中国と正面切って「やる」のは無理、から目をそらさないこと。
核兵器を通常兵器みたいに「平気でどんどん」使われたら「ジ・エンド」だ。日本人が死滅してしまったら、あるいはド貧乏な1000万人ぐらいの完全少数派になってしまったら、国際的に文句を言っても、もはや無駄である。クルド人は3000万近くいるが、やはり疎外されているではないか。
何度も言うが死人に口なしである。
私が人民解放軍の戦術家で「日本殲滅作戦」を実行するなら、必ずああする。反論できる人は反論してほしい。私も安心したいので、中国がこの戦術を100%絶対に取らない、という根拠を示してほしい。500%も必要ないですが、99.9999999(以下永遠に続く)…%では安心できない。
言いたいことの2つ目。
対決姿勢を煽って一番得するのはアメリカで、そして本当に戦争になったら、アメリカの助けを期待しないことを前提とする。アメリカは結果的に、南ベトナムもイランも、最近ではアフガニスタンも見捨てた。
1950年代に日本とアメリカの外交交渉で活躍した、アメリカの特使ジョン・フォスター・ダレスはアメリカのためだけに動く、タフな戦略思考の持ち主だった。戦後日本を「運営」する手法について「日本人のレイシズム=人種主義を利用する。彼らは欧米に対するコンプレックスを持ち、アジアには自分たちは近代人だという差別感情を持っている。それを煽れば、日本人はアメリカに従属する一方、アジアでは孤立し続ける」と彼は主張した。アメリカ政府はその通りに動き、未だに、その策略にはまり続けていることに、気が付かなければいけない。
1970年代にアメリカ外交の基軸を築いたキッシンジャーは中国での極秘会談で「日本に経済力を持たせたのは間違いだった」と言った。同時に中国からは周恩来の「洗脳」もある。アメリカと中国にとっては、経済的・地政学的に日本は味方にするべき国の一つではあるが、いつ敵対するかわからない警戒対象でもあることを忘れてはならない。
向こうは人治主義なのだからそこを徹底する
言いたいことの3つ目。
しかし中国に媚びるような姿勢はだめであるということ。中国からも国際的にも、軽蔑を受けるだけだ。
彼らと「真の友好・真の中立・真の不干渉関係」を築けるように、最初からやりなおしで、今からでも行動を起こす。日本が一番心掛けることは、これだ、と私は結論付けている。
そのためには現在政権中枢の人間に「親日派」の数を増やし、「反日派」の数を減らすこと。まあ言うは易く、実行は難しだが、独裁国家なので、不平分子はどこにでもいるはず。まずは情報収集を徹底的に行い、誰が誰の味方や親戚かとか調べあげる。今の中国は「戦狼外交」という無理な方針で動いている。危機感を募らせている人もたくさんいるはずだ。付け込む隙はいくらでもあると思う。
次にアメリカにいる、中国政権中枢の人間を親に持つ子弟を取り込む。なにしろ「ハーバード大学に『親子参観の日』があったら、中国の政治はストップするだろう」と言われているぐらい、中国の政権担当者はアメリカが大好きで、ハーバードを始めとする、アメリカのトップ大学に争って子供を留学させている。ただし、最近その子供たちは頭にのって、変なことをよくするから、良いようには思われていないところもあるので、接触する対象をよく吟味する必要がある。
中国人がアメリカ国籍を取って移住しても、絶対にすぐには「アメリカ人」としては扱われない。もっとも何をもって「アメリカ人」とするのか、定義があるような、ないようなものだから困ったところがある。それでも、なにしろ何代も前から、アメリカに生まれ育った黒人たちを平気で差別する国なのは事実だ。キング牧師の dream はやはり夢のままのようだ。
そのことをまさに肌で感じているのが、アメリカにいる中国やアジア系の子供だ。最近、その差別されている黒人からさらに差別されているのがアジア系なのだから、本当にあの国はどうなっているのか、不思議でたまらない。どちらにしても、中国人を含めたアジア系の彼らが、本当に仲良くしなければならないのは日本なのだ。
中国本国は広大・巨大すぎて、民主主義が浸透するのは無理があり、法治社会でなく人治社会だ、と言うのなら、それを素直に認めて、人脈を作り捲るしかない。そのための一方法が、中国人の将来政権とかかわるかもしれない子供たちと、まず知り合い⇒仲良くなってしまうことだ。そういう彼らを子供のころから親身になって世話をする「気の長い」外交を、日本は心掛けなければいけない。いやこれはもう、外交とか言うレベルではない。やはり人間は損得ばかりで動いていると、軽く見られてしまう。人間臭いつながりが次を生む。
戦国時代の大名たちもそうだった。毛利元就も、豊臣秀吉も、もちろん徳川家康も、日ごろの付き合いでは、普通に誠実だったし、いわゆる付け届けも、まめにやっていた。だからここという時に、謀略が効くのだった。今の日本がダメなのは、こういうことを忘れているからだ。まずは自分の振る舞いを改めることから始めるべきだろう。