目には見えない「ルート」を埋め込みことに成功した
とは言うものの、なるべくスムーズには行きたい。あっちやり、こっちやりではなく、一本道を進むのが理想だった。しかしあまりにもやるべきことが多いわりに、教科書によって色々な進め方があるので、1年分野は整合性を持たせるために、止むなく、前半だけ、ルート分けすることにした。
Aルートは、一般動詞の基礎→否定文・疑問文→what を使った疑問文、
Bルートは I am , You are, He is, She is などの be動詞の基礎→否定文・疑問文→what や who を使った疑問文、
Cルートは 「これは~です」「あれは~です」の外側からの表現、にまず分けた。
このCルートには「あれは誰々の~です」などの所有格と、「あれは誰々のものです」の所有代名詞も簡単だが説明に入れてある。どんな教科書でも、初歩段階でよく使われるし、英語を母国語にする人たちが最初に覚える文が It’s mine.だとよく言われるし。
同時に進行するものとして、
Dルートは数字、曜日、時刻、序数、月日などの知識分野を入れた。「これらを知っているか?」もテスト対象だし、今後良く使うから必要だ。
これで1学期ぐらいはなんとかなるなあ、と考え、2学期分からはEルートに前置詞、命令文、選択疑問文、付加疑問文を配置した。Eルートの前置詞などは、日頃から知って慣れておくことが要求されるから、小出しに紹介しておくことにした。品詞編を作る時にまとめようと考えている。
Fルートが、一番大切かもしれない「場所」「様子」「時間」を表す副詞的な語句、つまり基礎的な修飾語をまとめて紹介・配置し、途中でAルートと合流するようにした。その上で、Gルートで I-my-me , he-his- him などの代名詞を知り、Hルートで三人称単数現在につなげ、後は can、現在進行形、規則変化過去形へと「ゴール」へなだれ込む、という方法にした。
ただし、できあがった VITALs 中には、このルートが目には見えないように「埋め込み」にしてあって、Chapter 1 から Chapter 13 までを順番に学習していけば、この「埋め込み」になっているルートを知らないうちに通過して、Chapter 14 からは三人称単数現在形が始まるようにした。これはちょっとした自慢だ。
できあがりを見ると1年分野が多すぎる
と簡単に言ったが、問題は作らねばならず、間違いは見つけて訂正しなければならないし、解答も作らなければならないし、日常業務もあるし、行き詰った時は、頭を休めるために酒も飲まねばならない。
はっきり言って、授業が始まった時に、すでにくたくたな時もある。年を取ったなあ、と思う。このテキストが不完全ながらも原形ができあがり、予習自習に出すのが簡単になって、復習もできるし、その上数学に力を入れることができることもあって、大変便利だ。
しかし、改めてこうやって1年分野を見ても、多すぎる。
少しトロイ人や、サボリの人、勉強を避けたい人なら、あっと言う間に「置いてけ堀」になるだろう。最初の遅れを取り戻すのは本当に大変なのは、その身になってみればわかる。もの覚えのいい人ならなんとかなるかもしれないが、そうでない人は中学1年の時は、慎重に行動した方がよい。部活に身を入れている余裕などない。
また、現代の英語指導内容は、今の中学生を持つ親である人たちが生きてきた、80年代とはかなり変わっていて、高度になっている、でも指導する側の、スキルはともかく、精神的なバックボーンはかなり細くなっている、ということを保護者は胆に銘じておくべきだ。