おじいちゃんやおばあちゃんはお元気か
時々寒くなり、時々暖かくなったりして、春が来たようだ。
ここで、家族構成で注意しないといけないのが「祖父・祖母」の存在だ。おじいちゃんとおばあちゃんが、おいくつで、どこ住んでいて、健康かどうか。そんなこと、どうでもいいじゃないかと思うのはやめた方が良い。中学生・高校生というのは、祖父母に「何かある」可能性の高い年齢だからだ。
お年寄りは季節の変わり目に体調に変化が起きやすく、それが一命にかかわることが多い。テロや戦争、事故でもないかぎり、人の生死を人が決定することはできない。もし入院などしていたら、警戒レベルが上がっていることになる。つまり入試や中学3年・高校3年の大事な定期テストや入試の前に「何か」あるかもしれない、と想定しておく必要がある。
祖父母が同居していたり、少ししか離れていないところに住んでいる場合、あるいは近くの病院に入るのなら、介護・看病・見舞いに行くことはたぶん割合容易だ。
しかしそれが遠いところに住んでいる場合は、お見舞いに行くこと自体が大変だ。また長期入院となったら、落ち着くまで、中学生・高校生の祖父母の子にあたる自分の親が、長期不在もありうる。その時、食事は、家事は、勉強はどうするのか、という結構深刻な問題がある。
対策は日頃から自己管理を行うこと
なぜか関数分野になると「とたんにダメ」になる中2の女子生徒がいた。原因は座標の数値を代入するときに x の値を y に、y の値を x に代入していたからだ。間違いを確認して訂正した後も、しっくり来ない。この女子生徒は本当に賢く、国語もクラスで1番だったし、元々数学も特に悪くなかったからだ。なぜここだけ変だったのか。2年生から入塾したことをふと思いついて「比例・反比例」を習う1年の秋から冬に何かなかったか、と尋ねると、母方の祖母が入院後、ほどなくして亡くなったのがちょうどその時で、学校には2週間ぐらい、行ったり行かなかったりだったし、精神的にも不安だったとのことだ。
このケースでは、その女子生徒が賢かったから「被害」は最小限で留まった。そうでない人ならウイルスが増殖するように被害は拡大する一方だろう。皮肉なことに、そうでない人たち、つまり事態を想定していない、あるいは普段から勉強をさぼっている人たちに、まるで運命が「試練」を与えるみたいにこの種の問題がふりかかることを多く見てきた。
兄弟姉妹の年齢差、祖父母の年齢や病気、同居別居の問題、あるいは死も含めて、原因となる家族構成は、基本変更できないものだ。これに対応するには日頃から家族間でシュミレーションをして自己管理能力を伸ばしておくことと、2週間ぐらい勉強しなくても、すぐに復帰できるyはり「勉強貯金」をしておくこと。これしか対応策はない。家族に「何かあること」も災害の一種と考える方が良いだろう。
色々な形での「おじいちゃん・おばあちゃん孝行」がある。中学生・高校生が孫なら、その行く末を一番心配しているはずだ。その期待に応えること、何があっても動じない体制を整えておくことこそが、真の孝行であることを忘れてはならない。