どう進めるか

で、現実の話として、どう進めて行けば良いのか、をざっくりと考えてみた。
ただし一番避けなければいけないことは、英語の勉強にエネルギーを取られ過ぎて、数学など他の科目の学習が薄くなってしまうことだ。この方針は、新課程だろうが、旧課程だろうが、変わることのない「基本戦略」だ。

だから1年生の間は英語の成績が仮にあまり振るわなくても、とにかく基礎練習を疎かにしない、を極端だが、主幹の目的にする。誰でも良い得点を取りたいだろうが、足腰の弱い人が、シュート練習をするのと同じで、変なフォームが付くだけだ。1年ぐらいは我慢しなければならない。そもそも小学校でもっと真面目に英語を勉強させていたら良かったのだから。

ただし来年度の新中1年生、つまり現6年生は、甘いことは言ってられない。そんなことでは中学校で英語についていけなくなるぞ、と相当な警告=脅かしが必要になる。

中学1年生は最初が肝心なので

Lesson 1 はbe動詞と一般動詞の「同じところ」と「違うところ」を強調して、文の転換を繰り返し練習する。これはいつも通りだ。簡単に言うが、50問ぐらい転換練習を繰り返さないといけない。合計で20時間ぐらいはかかるだろう。

同時に「名詞の前に付けるもの」を習得する。主要な形容詞を20個ぐらい覚えるのだが、それ以外に、案外多くの人がここでつまずくので、結構大切だ。例えば冠詞 a ,an は基本的に和訳には現れない。だから前に付けるのを忘れて、new a book とする人がいたりする。ある意味、英語の考え方に「洗脳」されていないから純粋と言えば純粋で、喜ばしい。しかしテストでは点数が取れない。

もっとも「冠詞があると、そこから最後の名詞まではひとまとめと考えなければならない」という考えは、高橋 善昭著の「英文読解講座」旧版の最初の最初 p12にも書いてあるし、名著と呼ばれる英文解釈の説明本なら、どれにもあるぐらい、「基本中の基本」で、レベルが上がっても、絶対に守り切らなければいけない大原則だが、高校生になるとたくさんの人が忘れている。

次に「単数の主語と複数の主語」でのbe動詞の違いを身に着けつつ、VITALs なら Chapter 1 ~ 4 を繰り返し練習する。当方は「できる人」も見てきたが、それ以上に「できない人」もたくさん見てきた。その「できない人」にやはり案外多いのが「主語が複数でbe動詞を使うなら必ず are を使う」が徹底できていないことだ。ウソみたいだがホントなのだから仕方がない。そもそも複数というのがわかっていない。 Chapter 7 の「複数形の作り方、扱い方」の家で読む分を指定し、ある程度を知ってもらう。

そうこうするうちに夏休みになる。新課程の教科書が Lesson 4 で三人称単数現在形に入るから、その前の夏休みに、Chapter 8~ Chapter13 に進み、練習を重ねればこれで概要がつかめるようになる。もちろん覚えるものは、頑張って覚えてもらう。四の五の言っているようでは、後2年5か月低迷するだけだ。

実際に付いてこれるのは「できる人」だけかも

と、簡単に言ったが、このペースに付いてこれる人は、ほんの一握りだろう。旧課程でも、「できる人」相手に、2年間で中学3年間分の英語を習得するためにやった時はうまくいったが、普通レベルの人では短時間で進むのは無理で、半年計画を1年計画に伸ばした。英語だけなら行けたかもしれないが、他の科目を疎かにするわけにはいかなかったからだ。また部活動などが入ってくると、結局はスロウダウンを余儀なくされた。

しかしバランスを崩しては何にもならない。英語学習が、学習計画を破壊しては、本末転倒だろう。この英語新課程は「できない人」を切り捨てることが目的なのではないか、とも疑っている。