ではもう少し続ける。

その3 国語力≒読解力がない

問題を読んでも何が書いてあるのかつかめない人は、最悪だ。数学より国語、いや現代日本語をきちんと読めるような訓練を受けさせる必要がある。これも日頃から我が子をよく観察して、「うちの子、アホだなあ~(スミマセン)」と思ったら、出口先生や福島先生などの本を読ませて、訓練する必要がある。数学の文章は定型的なものが多いの、その方面から始めるのも良いと思われる。

その4 計算力がない=正確性が乏しい

これは「慌てん坊」や「おっちょこちょい」でなくても、こうなってしまうこともあるから、単純に技術論の問題でもある。計算は、数学の途中、あるいは最後を決める大切な要素なのだが、軽視していると、「この人は細かいところに気が付かない人だな」とか「詰めの甘いやつ」と思われても仕方がない人になってしまう。それは大げさにしても、とにかく点数を取りたいなら、厳しく指摘した方が良い。でなければいつまで経っても改善されないだろう。

例えば大問1で(1)~(5)のうち2問しかあっていなければ、「100点満点のテストでは40点です」とか「自力で40%の正解率です」とか戒めることが必要だ。日頃の積み重ねがマイナスであっては、マイナスの結果しか生まれないということを、びしびし指摘すること。

物理的な矯正方法としては5㎜方眼の紙に、きちんと数字を入れ込んで筆算での足し引きを書く練習から始めて、大き目の計算スペースにやはりきちんと計算を書く、という練習から始めなければならない人もいる。小学校4年生レベルぐらいから、桁数の大きな計算が増えるから、そのあたりの問題で導入するのも、良いだろう。

次に
「テストではやり直しが効かないから、1回目できちんと合うように気合を入れる」
「意識して気合を入れてなくても、入れているのが当たり前の状態になるようにする」
「間違えたら、赤ペンで間違いを直して終わり、ではなく、最初からやり直しというルール設定とその遵守」

も必要だ。

その5 図形を描くのが下手…平行四辺形から描く

直方体ぐらいスっと描けて欲しいのだが、ぐちゃぐちゃな人が多い。またそれで良い、と思っているところが何とも凄まじい。絵心や美的センスなど不必要なのだが、斜投影図や等角投影図ぐらいは、知っておかなければいけない。

これは小学校で、もう少し手ほどきをしてあげるべきだが、本人に自覚がなかったり、学校や塾で当たった担当が「ハズレ」の場合は、中学校で苦労することは目に見えている。親・保護者が「うちの子はきちんと直方体ぐらい描けるか」と点検しなければいけない。

その時側面から描くのではなく、底面から平行四辺形なり、楕円なりを描いてから、その頂点から下に垂線をおろす方法を習得させることも大切だ。

その6 復習をしないのに、なぜか自分に根拠のない自信がある

そもそも「習う」ことが「自分は知りません」を示しているのに、復習をして、自分のものにしようという行動が伴わない人には、勉強的に未来はない。そのくせ「自分はやればできる」と思い込んでいる人が最近多い。大変困った傾向だ。

こういう人には
「あなたには現在のところ大した能力は保持していません。能力は開発されることで発見し、さらに開発して、保持できて、大きくなるものです」とか

「そもそも能力があるかないかは、誰にもわかりません。能力は取り敢えず開発してみて、やっとあるかないか、わかるものです。調査段階で『石油がありそう、金がありそう』と出ても、最後は掘ってみないとわからないのと同じです」

とガツンと諭さなければいけない。

よって塾に呼び寄せて、強制的にでも「復習時間」を確保しなければならない事態もあるだろう

以上思いつくままに、「数学ができない人とその対策」を述べてみた。1つでも当てはまるのなら、中学1年生の早くから対策をしなければ、どんどん面倒な事態になっていく。この冬休みにきっかけが欲しい人の、一つのヒントになれば良いかな、と考えている。