「大人とは」何だろうか

今回もビジネスサイトとの関連・連想から、色々と考えていた。

まずはこの記事を読んでいただきたい。例の Books&Apps に掲載されている安達氏の記事だ。私は氏の記事内容と、その表現力や知識(コミックスの紹介も含めて)が好きで、かなりの数をストックしている。これからも引用が増えるだろう。

「大人」とは「本当のことをわざわざ言わない人々」

普通の会社ならいけるけど

読んだ感想は「普通の会社ならいいが、子供相手の塾指導者としての私には無理だな~」だった。言い方が良くないので、もう少し言葉を追加すると、「子供相手の仕事をしている私には、無理ゲーなところが多い」だ。ただし、ただ今、現在、まさに子供である小学生、中学生、高校生の諸君は、10年~15年後、安達氏の主張する「大人」になることを目標とするべきだろう。

氏は記事内で
「大人とは結局、『本当のことをわざわざ言わない人』のこと」
「『人間関係のマサツ』を避けて立ち回ることこそ、世渡りの本質」
「『本当のこと』を、グサグサ突きつけられると、人間は発狂しちゃう」

と主張するし、その通りだ。私も他人はおろか親戚関係の人にも、ほぼ同じ態度を取っている。友人に対してでも、そうだ。

何しろ相手が子供なので無理

でもこの秘訣を込めた態度を、塾の先生が生徒に取ったら大問題で、生徒が来なくなって=あの塾に通っても成績は伸びない、という結果になって、恐らく、確実に潰れるだろう。欠点をびしびし指摘し、それを正すか、弱めるかしなければ、得意科目だけでは勝負にならないからだ。もちろん、指摘する前に信頼関係を築いておくことが前提条件ではある。

では学校の先生はどうだろう?学校の先生は、これもあまり良くない話だが、生徒の一人や二人がたとえ不登校になっても、群れを抜いて成績不良のままでも、あるいは他人に迷惑かけまくりの行動を取ったとしても、やるすべ無しと結論付けて、放置し、卒業を待つことにしても給料は減らない。ただしこれは極めて暴論で、99%の学校の先生は真面目な人だから、そういう生徒にも対応しようとするので、まずあり得ないことだ。

学校の先生がこの態度を取ったらどうなるか

しかし一般の生徒、特にあまり成績がパッとしない人たちに、「似たような行動を取っている」学校の先生は何人も見た。ただし直接に見たのではなく、成績不良でなんとか改善したいと入塾してきた生徒の担当教師の言動と指導から察したことからの、推測である。

安達氏の言葉を借りれば
「『本当のことをわざわざ言わない人』は、それだけで圧倒的に受け入れてもらいやすい」

まさにその通りで、そういう先生ほど、生徒受けは良いが、結果として指導はかなりいい加減に終わった傾向がある。ただし私の勝手な体感だ。もちろん事情は様々で、「厳しい」指導が不可能だったのか、それとも意図的に避けた、あるいは個人的な能力としてできなかったのか、すべてが不明だが、それがなかったために、結果としては、生徒の能力、例えば、文解釈能力、切り替え能力、暗記能力などは弱いまま、中学生になってしまったケースを多く見てきたからだ。

確かに生徒=子供にトラウマを植え付けるような叱り方をするのは良くない。しかしボ~としているその状態を放置する、言うなれば「面倒だと放っておくと、もっと面倒なことになる」場合への対応はぜひやってもらいたい。

切に望む次第だ。