指揮官の感覚を狂わせるのは非常に有効
スポーツでも「相手の攻撃起点になるプレイヤーを徹底マークして、チーム全体のリズムを狂わせる」という作戦が効果的だ。超有名バスケ漫画「スラムダンク」の海南vs湘北戦で、湘北が海南の司令塔 牧を徹底マークしたことを思い起こして欲しい。
全兵力をあげて、一路モスクワを目指して、スターリンを捕縛するか、仮にそれが無理でも物理的に牙城を潰すことで、精神的・物理的な打撃を与え、指令系統を狂わせる。彼が首都を逃げ出した後は「だから成り上がり者は、国家に対する忠誠心がない」とアンチの宣伝に使い、意地をはって新首都を「建設」し出したら、しばらくは放置して資金や人員を無駄に使わせ、半分ぐらいできたところで、攻撃を仕掛ける、を繰り返せば、次第に人心が離れていく。独裁国家を倒すには、独裁者自身を倒すか、独裁者を支える人物や組織を潰すのが手っ取り早い。
首都は情報が満載
同時に首都を制圧⇒軍事・政治関係の文書等を押収⇒相手のさらに正確な戦力を把握する。紀元前の古代中国で、後の漢の高祖 劉邦は秦の首都 咸陽を攻略し、彼をはじめ他の部下たちが宝物蔵で、宝を奪い、酒池肉林で勝利に酔いしれているときに、部下の蕭何はすぐさま文書課に行き、「これこそが宝だ」と言った。
彼はそこにあった書類(当時は木簡だったけど)をすべて押収し、秦王朝全体に存在する軍隊・食糧・人口そして役人の組織などすべてを把握したことが、漢王朝の興隆の元になったのは有名な逸話だが、ドイツ軍の首脳部はこの故智を知らなかったのだろうか。以上の意味で、モスクワ攻略を、戦力の充実している前半にしなかったのは、大失敗だったと言える。
優先するものは何かを考える
日常生活でも受験でも「これとそれができたら、残りのあれをやる」というのはよくあることで、わからないでもないし、普通はそれで問題はない。
でもその「残りのあれ」が「諸悪の根源」なら放置や後回しすることは絶対に不可!だ。最初に=体力と気力の充実している時に、全力をあげて徹底的にそこを叩き、「占拠し」て自分のものにしなければならない。でないと、後から後からわんさかと問題が噴出してきて、収拾が付かなくなる。
例えば数学の因数分解や一次関数、英語の各時制・助動詞の否定文・疑問文への転換、あるいは動詞の不規則変化などがそうだ。めんどうでも最初に絶対にやってしまわなければ、禍根を残すのは必至だ。
有名な「失敗の本質」の文庫版、P268にこうある。
「いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的が存在しなければならない。目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する(中略)。本来、明確な統一的目的なくして作戦はないはずである。ところが、日本軍では、こうしたありうべからざることがしばしば起こった」
ドイツ軍もやっていたんですね
決めることができる時に、決めてしまわなければならない
そしてどっちに合格するのか不明な時は、確実な方に合格を決めてしまわなければならない。もう少し成績が伸びれば…いけるかも…、という希望的観測をはさんではいけない。受験日がずれていればいいが、そうでないときは、心を鬼にして、合格できるほうを取らせるのが親・保護者の役目だ。ただし本人の納得済みであることが前提だが。
This is best.を貫徹して、Next will be better.は受験には危険な考えだ。
まだ続く。