次は理科だが

これは独学・自学自習と、学校の授業、特に実験レポートとの2本立てをこなさなくてはならない。実験は家は不可能であるから、学校での体験をはずすと取り返しがつかないので。ここが大切なのだが、実験はあくまで実験で、その数値が教科書の予想や指示通りに出て来るとは限らないし、時には無茶苦茶な数値だったり、あるいは大失敗ということもある。焦るかしれないが、別にそれでいい。なにしろ実験なのだから。

ただし「残念ながらこういう結果になりました」という報告書は真面目に作成して、提出すること。そしてできれば、他の人や他の班が行った実験結果を見せてもらうようにすること。

うまく行ってもいかなくても、どちらでも問題集は解かなくてはならない。ただし問題集や参考書に説明されていないところが、どんな問題にもちょこちょこあるのが普通だ。そういうのは学校の先生に質問した方が速い。あるいは You Tube にある学習動画も参考にする。

問題集もレベル分けしておく

「ハイクラス~」とか名打っているのは本当にたいてい難しいから、最初はやめる。1番にやらないといけないのは、学校に提出する問題集で、次が標準レベルだ。その時、実験がたくさん載っているものをなるべく選んで、ぜひ買って、ご子弟に与えること。理科や社会は「これ1冊で大丈夫」というものはあまりないから、複数使用することが必要になるのは、ちょっと痛い出費だが、未来に対する投資と割り切っていただきたい。

またテストの結果だが、親・保護者もいきなりの高得点を期待するのではなく、「まずは60~70点だよ」と言ってあげれば、本人も気が楽になるだろうし、50点でも「次はやるぞ」と思えるように、けなすのは絶対にダメだ。

できれば余裕のあるお宅は、教科書を2冊揃えておく。1冊は学校用で、もう1冊は家庭常備用にしておけば、いつでも社会や理科の勉強ができる。できれば資料集も2冊あると良い。

中学レベルの社会や理科ができないと、周囲に「教養のない、アホな人」と思われてしまう

アホがウケルのはテレビの中だけだ。「あ、こいつおバカだな」と級友に認定されてしまうと、試験情報が回ってこない「情報弱者」に認定され、負のスパイラルに陥り、ますます点数が悪くなる。趣味の合わない人に、無理に会話を振ることがないのと同じだ、と親・保護者は諭してあげなければならない。女子なら「賢いイケメンを逃す恐れもあるとぞ」と脅しておこう。

また中堅私立高校で3科目受験の場合でも、社会や理科の点数が良くないと、受験すらさせてもらえない場合もあった。再三警告していたのだが、中3の2学期では取り返しがつかない。考えてみれば当然で、中学レベルもできない人が、高校でできるわけがない。

理科も、中学では「定性的知識」で済むが、高校になれば「定量的知識」まで入る。気体の状態方程式がいい例だ。高校社会の地理では、計算しなければいけないことも出てくる。「地理」はその名の通り「理科」科目であって、暗記モノレベルは中学までだ。

高校入試はバランスを重視すること…残酷だが「できて当たり前」と諭す

中学生はそんな未来が待ち受けていることを当たり前だが、知らない。
甘い考えでいるご子弟は、親・保護者がうまく導いてあげないと、結局は選択肢が狭くなって、「自由」を手に入れることが不可能になる。多くの人が目を背けたくなる 「自由を手にするには力が絶対に必要だ」というつらい真実を教えるいい機会でもあるし、言ってきかせてあげる機会でもある。そして屁理屈を言って勉強しない場合は、「〇〇高校に行けなくても、文句は言わない」という念書でも、作成しておくぐらいの気迫が望まれるだろう。