悪い知らせでも良いところがあって、酒を飲む口実になるという。さらに反省会は続く。

⑤国語について

昔から暇を見つけてはやっていたし、研究は怠っていない。また「着眼と考え方 現代文解釈の基礎」も復活再発行された。大変喜ばしい。私もこれで勉強したのだった。高校で配布されたものだったが、何気なく読んでみると、すごく気に入って何回も読んだことを覚えている。初版本は、ボロボロになったから捨ててしまったのが残念だ。まさか自分がこんな仕事をするなんて思ってもみなかったから。

しかし最近本当に「読解力」のない人が増えたなあと感じている。純粋な読解力だけなく、作文との中間である「まとめ力」にまで力不足が見られる傾向が強い。単に思ったことを述べているだけ、の場合もある。これへの対応策は日頃から「つまりど~いうことですか?」と相手にまとめさせる訓練を反復するのが効果的で、しかもそれしかない。またその「まとめ」を文として書くときに、漢字の正確さも主語述語などの配置も練習しなければいけない。中々大変だ。

古文は希望者あるいは余裕のある人だけ始めているが、これも英語と数学ができているからこそのものだ。同じことが英検受験にも言える。学校の勉強で四苦八苦している人には無理な話だ(なのに私立ではほぼ強制的に受験させていることが多い。実績を作りたいのだろうが、順番を間違えている)。国語学習の必要性が高くなってきたし、今後3年でレールに乗せるつもりだ。

⑥ 社会の近現代史が相変わらず甘い

確かに1900年~1945年までの激動の大正・昭和期を知るのは大変だが、あまりにも学習が甘い。

例えば

[第1レベル]
1900年の立憲政友会結成、1902年の日英同盟、そして1904年日露戦争、1910年韓国併合、1911年関税自主権回復への流れ

[第2レベル]
1914年 第1次世界大戦 、1915年 対華21か条の要求、1918年米騒動とシベリア出兵、原内閣成立
1920年 国際連盟入り、1925年 男子普通選挙法と治安維持法制定

この流れのなかで「1904年に日露戦争に参加して生き残った20才代の青年が、1925年には40才代のオッサンになっていて、一家の主なのに、選挙権がないのはおかしい! 」という視点で説明している先生がいないのはなぜだろう? 「オレは命を賭けて戦ったんだぞ! 納税額で差別するな!」と私だったら怒ったと思う。

また女性に選挙権がなかったのは、徴兵制をしいていたので、国家の大事の決定に、女性の愛情が混じったら困るから、という視点も欲しかった。どんな女性でも自分の愛する人、夫や息子、恋人などが戦場に行く、と言う現実が迫ったら、その政策に反対するだろうから。女性差別=男尊女卑の考えも、もちろんあっただろうが、現実的な観点も交えた方が良いだろう。

アメリカなどはこの点は徹底していて、第2次大戦末期には戦闘機に女性パイロットまで搭乗していた事実を交えて話せば「スゲ~」と中学生などは感心するのではないか?

少し片手落ちな感じがする。民主主義は「あなたも戦争に行きますか? 戦場に行かないのなら別のところで協力しますか?」とセットだ、と教えたくないのだろうか?ルソーの社会契約論にもちゃんと書いてあるが、ルソーと言えば「民主主義はいいもんだ」という認識しかないから、今の混乱がある、と指摘する学校教師は見たことがない。

さらに続く。