マグロの養殖で有名になったから

知り合いが「近大マグロ」を食べてきた、と報告=自慢してきて、卒業生のY君のことを思い出した。

Y君は私の記憶では完全な「油断・出遅れ組」で、中学2年生で私の前に現れた。英語も数学も平均以下で、集団より個人指導の方が多かったかもしれない。それでも3年生になって平均集団から脱出を果たし、なんとか偏差値55~52ぐらいにはなった。しかしまだまだ多少「動作不安定」なところがある。

この成績だと県立伊丹か市立伊丹にはギリギリ合格できるが、高校の「進学校」というところは面倒見が悪い。特に最近ネットで流行の「自称進学校」だと、Y君のようなタイプではあっさりと下位グループ入りだな、と思い、無理はしない方がいいと、前ブログ「試合は続行中ですよ」で言及した、家から自転車で通えるM高校を勧めた。本人も自覚するところがあるのか、すんなり同意した。

ああ、これで終わりだな、高校で頑張れよ、と思っていたのだが、その日の晩、塾が終わったころを見計らうように、Y君のお母さんから電話がかかってきて、M高校に行くけど、不安だから、高校に入ってからも教えて欲しい、できれば近畿大学レベルに行きたいと、本人は言っているという。

現実的で有効な選択

へぇ、少しは考えているのか、と思った。
昔はボンボンの通う大学で、麻雀をしに行くから、近大ではなく「ポン大」と呼ばれていたぐらいだ。高レベルの人から見れば「なんだ近大か」と思われるかもしれないが、現実的には悪い志望ではない。経営もしっかりしているからまず潰れないし、なにしろ卒業生が多いのが強みで、仕事のツテを探すのが楽な学校だ。大人になればわかる。

ちょっと物理的には遠いけど、JRの線も延伸して、時間的距離は縮まった。現在では医学部を備えた総合大学になり、まさに university だ。医学部がついていない大学は本当は university と名乗ってはいけないのだ。ちなみに日本国内の偏差値が低くても世界的に認められている大学も結構あるから、調べた方がいいですね。

ご両親との連携もスムーズだったから

ご両親も勉強するなら塾にも行かせてやる、あの先生とお前は相性が良さそうだ、頼んでみる、となったようだ。私は少し考えて、1~2年の間に学校の進度に合わせて成績を上げて、できれば推薦を狙う、そのためには激しい部活動には入部しないこと、特にあの高校の野球部は止めて欲しい、そして3年になったら、近くにある高校生用の予備校とウチの両方に通って夏の間は予備校の自習室に通って勉強漬けになってもいいなら受ける、また教材を用意するのが面倒だったので、数学は進研ゼミも取ってね、という条件を出した。

最近夏が暑くて、体力的には中学生だけで手いっぱいだったからだ。はっきり言ってオーチャクで、相手にかなりの出費を強いる提案だ。受けるとは思わなかったが、申し出通りにする、と向こうは丸のみしたので、少し驚いた。親心ってありがたいですね。

こうなっては引き受けるしかあるまい、となり、主に週末を利用して1・2年の間は学校の勉強べったりに貼りついて、予習と復習を繰り返し、学校指定の問題集もやり遂げた。本人も中学校で痛い目にあったから、きちんとやりぬいた。私は彼の中学でやり残した欠点を知っているので、高校1年の間に、全部修正・修理・是正を図り、「完治」させた。

野球部はやめてね、と提案したのはある新聞記事を読んだからだ。以下少し悪口になる。ただし現在のことではないから、ご了承下さい。あくまで数年前の話です。

まだ続く。