マイナー小説も好きで

何だか現代の教育体制に文句ばかり言っているのようなので、今日は、印象に残った本の感想でも書こう。その中でもB級ホラーの「ザ・キープ(上・下)」は、お薦めはしないが、個人的には気に入っている作品だ。


簡単にストーリーを紹介すると、時代は第2次世界大戦の初期、ナチス・ドイツが連戦連勝の時期。でもユダヤ人にはつらい時期でもあった。そんな無敵ドイツ軍の中でも、やはり反主流派というのは存在し、主人公級の大尉は、ルーマニアの山中にポツンと存在する「砦」に派遣される。もちろん20名ぐらいの部下と共にである。そこは城としては少し小さかったので、「砦」としか言いようがないが、名前はなかった。

ルーマニアに連合軍が進撃してくるなら、裏道にあたるその地域が重要だから、という理由だったが、ナチス党に入党することを拒否していたので、「派遣」と言うより、ていの良い「左遷」だった。着いてみてわかったのだが、その「砦」は、データーによると500年前の建築のはずだったが、まるで昨日完成したみたいに、メンテナンスが行き届いていて、駐留すること自体は簡単だった。

所有者は不明で、その「砦」を管理・修理している近くの村の男も、定期的に修理をして、修理費を受け取るだけで、砦の由来も誰が立てたのかも、何も知らなかった。とにかくその「砦」をできた当時のまま、新しいままにしておくことと、特に「砦」の内部にある1万個以上もある十字架には触らないようと懇願する。

その無数の十字架はすべて一見金に見えるが、真鍮でできていて、それより変なのはその形で、+というより、上にちょっとだけ棒が出ている、むしろTの字に似た形だった。しかし駐留を始めたその晩に、不届き者の兵隊が、砦の一番奥にある十字架をはずしてしまい、そこから何か邪悪なモノが解き放たれ、1人また1人と兵隊が惨殺される事件が始まる…という話だ。

この手の話は、なんらかの方法で閉じ込められた邪悪なものの正体が突き止められて、また封印されるか、滅ぼされるかで終わる。そういう意味ではありふれたストーリー展開には違いない。

印象に残っている点は3つ

だが3つの点ですごく印象に残っている。
1つはその邪悪な存在は、最初は吸血鬼だと皆は推測していたのだが、吸血鬼伝説の下になった存在で、実は神とか悪魔などを超越した、歴史が始まる前の先史時代の生き残りだった「モノ」で、ちょっと盛りすぎの初期設定でもある。そして血液ではなく、人の堕落、背徳、悪徳というか、そういう抽象的なものを吸い取って存在できる、とんでもない「モノ」だった。特に高潔な人物が、下劣な精神に汚される時に、大量にエネルギーを吸い取る。

「盛りすぎの初期設定」は、ガバガバな方が、後付けのストーリーを簡単に突っ込めるのでシリーズ化しやすい。事実、この後3本のシリーズ化が実現している。その点「アルジャーノンに花束を」は、完結してしまっているので、「後エピソード」が作れなかった。芸人に「一発芸」で、消えて行く人が多いが、まるでよく似ている。この辺りは編集者の勘と腕だろう。漫画でも小説でも「盛りすぎ初期設定」の初作品を見つけたら、「シリーズ化するかも」と当たりを付けておくと面白い。

また少し続く。

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コロナ騒ぎは、マスコミが「ちょっと騒ぎすぎたぞ」と後悔しているのか、「ワクチン接種」に目玉を移行して、なあなあうやむやに、事を済まそうとしているみたいです。

まあそれはそれで良いのかもしれませんが、確か「コロナは怖い」の刷り込みが決定的になったのは、志村けんさんのコロナ死亡、そして補助強化事実が岡江久美子さんの死だったと記憶しています。

で、今現在、ワクチン接種に皆がなだれ込んでいるのですが、実はこれも「危い吊り橋」みたいなもので、もし、もしも、仮に、40才代~50才代のお元気な有名人のうち、誰か一人でもワクチン接種を受けて、短時間後に死亡する「事件」が起きたら、どうなるのでしょう?

今度は「ワクチン接種怖い!」に針が振り切れてしまうのでしょうか? すると「コロナは怖い」と「ワクチン接種怖い」がぶつかって、大渋滞になる、大渋滞なら、まだいいかもしれませんが、その後の「社会不安」をどうするのかな?とちょっと心配しているのです。誰か解決策を教えて欲しいな、と、小人閑居して不善を為す、みたいに、考えているところです。

では今日はこのへんで。