お父さんも同意見だった

後で聞いたら、Y君のお父さんも同じ記事を読んで、私と同じことを考えていたことがわかった。Y君のお父さんも若いころは社会人野球をしていた人で、「選手と監督」の関係の機微はよく知っていた。父親の影響で小学校のころ少年野球にY君は入ったのだった。

会社でも責任ある地位を務めている人でもあったから、野球部監督のこの対応に不信を抱いていた。だからこちらの申し出はむしろ「渡りに船」だったという。学校の先生が部活動指導で「教育か勝利か」の場合に、日頃の行動と矛盾した時、こういう冷めた目で見られていることに気が付かないのは大変残念だ。

さて3年生になりY君は近くの予備校高校部に入った。
入った、と簡単に書いたが、当然に入塾テストがある。M高校生がその予備校にあまり行かないのは、これで落ちるのが嫌だからだ。そして通っているM高校生の数が少ないから余計行かない、となる。

だから「僕なんか入れるんでしょうか?」とY君もビビッていた。わからないでもないが、可愛いものだ。一応ちゃんと勉強しておいたし、新学期になるので向こうも新規の生徒=お金が欲しいから大丈夫だよ、と送り出したら、案の定ちゃんと通った。

気楽にはなったがまだ気は抜けない

週に1回になった当塾の授業は、この予備校の英語テキスト予習とか学校の授業補強に専念することにした。もちろん受け取る分は減ったが、負担も減った、私的にはめでたしめでたしで、後は監視役に徹していればいいな、気楽になったと思った。

ものすごい横着モノである。でもね~大学受験ってホントにめんどくさいんですよ。

5月に部活(テニス部。引退が早いから、と勧めたのも私です)を引退したY君は、学校が終わると、そのまま予備校に行き、自習室で1時間~2時間ほど勉強したら、一旦家に帰り、ゴハンを食べて、また予備校に戻るという生活を繰り返すようになった。あるいは一旦家に帰り、すばやく早めの夕食を食べた後、予備校に行き、そのまま夜まで勉強することもあった。
お母さん、いつもいつもありがとうございます。

歩いて5分のところに家があるから、逆に言えば歩いて5分のところに勉強部屋があるのと同じだ。家は最近、快適な場所と化しているので、お風呂に入って寝るだけの場所にするのが基本戦略だ。

習慣をつけるためだった

自分はできない方だ、という自覚があるし、習慣になってしまえばもう大丈夫。毎日せっせと通って、授業がある日は授業を受け、ない日は自習室でお勉強、こうなるとその予備校の講師さんの目にも頻繁に止まるようになって、あれこれアドバイスを受けたり、無料で補習指導をしてくれるようにもなった。

予備校の講師さんというのは「教えたがり」がなるものだ。まじめな生徒は好きなのである。たまに好きが行き過ぎて、スキャンダルになることもあるが、あれは例外だ。

そんなY君に予備校で知り合いができた。
ある日、家に帰って食事をしようと立ち上がり、自習室を出たところで呼びとめられたのがきっかけだったという。彼は週1回必ずうちに来るから私もすぐにそのことを知った。

まだ続く。