中学2年生ぐらいからは正確さを徹底的に追及する
今回は前々回の「英単語の覚え方」の続編みたいなものだ。
細かい注意だが、ご子弟に英単語テストをさせてみて、interesting と書くところを、intersting としていたり、example を exanplu としていることがあったとする。
これは初心者がよくやるミスだから、初歩段階ではあまり目くじらを立てる必要はないし、むしろ有害だ。ある程度は書けたなぁ、惜しいぞ、次は合えよ、と褒めて、励ましても良い。
しかし中学1年生の終わりか中学2年生の最初に、まだやっているようでは先行きが暗い。そのような時は「そろそろ正確さを追求するころだ」と、厳しく指導しなければならない。間違った単語を書いていたり、計算を同じような部分で間違っている、というのは、変な癖が定着していて、それが改善されない見込みが強く、むしろ増々ひどくなることの危険性を明示している。
阿波踊りとは違って、勉強に関しては、間違いを繰り返すぐらいなら、何もやらない方がましだ、というのが私の極論でもある。ゲーテの言うように、迷惑な馬鹿は、元気で活発な馬鹿と考えたるべきで、悪い癖がさらに強化されるだけだ。この部分は筒井康隆の「アホの壁」を読むと、大変よくわかる。
話は元に戻って、本人にしたら「ちょっとした間違いでないか」とか「全然書けないよりましだろう」とか思っているかもしれない。そこで、「英単語や数学の計算は、合うか合わないか、 all or nothing の2択でしかない」、「合わなかったら、いくら100回練習していても、それは練習していないのと同じだ、それくらい厳しいものなんだ」と悟らせ、徹底していくように、中学2年生ぐらいからは自覚させなければならない。
最近の子供は「正確さの追及」に慣れていない
「新学力観=確かな学力」の弱点あるいは欠点がここだ。子供に結果を出させることは可哀そうだ、とでも思っただろうか。こういうミもフタもない、冷たい言い方をされることに、最近の子供たち、特に小学校高学年から中学2年生なかばの人は「まあ、なんとかなるさ」の姿勢で生活しているから、全然慣れていない。しかし彼らに冷や水をかけて、夢や幻術から醒めてもらわないと、危ない時期に来ている。
よって、50点~60点ぐらいから脱出できない、という人には「学生に休日・休暇は休みではない」と言い聞かせ、周期的にやってくる土曜日と日曜日の午後に、あるいは連休中に、弱点を補強するスケジュールを10日分程度作っておいて実行させる。大学生がアルバイトで得た資金を、自分に投資せずに、遊びにつぎ込むことを学習してしまうと、定収入が得られる社会人になると、貯金習慣が身に付かず、休日に遊びやギャンブルばかりする癖がついてしまうのと同じ、と考えるとわかりやすい。
中学生ぐらいは、今の自分にあった問題集から始めて、難しい目の問題にまで手を伸ばしていく。ただし何でもそうだが、欲張ってはいけない。戦わずに相手を圧倒するのが理想だが、普通は徐々に勢威を上げて、相手をちくちく刺していき、「機」を見て、兵力を集中して相手を打ち破る。ここと言うところで一大攻勢をかけて攫っていくのが現実にあった方法だ。